「ゆらぎ肌」ってなに?季節の変わり目のスキンケア対策
すっかり季節も春になり、例年より早く桜も咲き始めていますね。
洋服やメイクも段々春らしく気候も穏やかになってきて、イベントや出会いが多い季節。
暖かくなるのは嬉しいですが、実はまだ冬のような乾燥が続き、さらには紫外線、花粉、ほこりなど、デリケートなお肌にはトラブルも多い季節です。そんな一時的に不安定は状態を「ゆらぎ肌」といい肌のバリア機能が低下しトラブルを引き起こしたり、化粧ノリが悪くなったりします。
新しい季節だからこそ美肌をキープしていきたいものですよね。
冬には乾燥対策をしっかりしていたかと思いますが、春にも春のスキンケアを行いましょう。
ゆらぎ肌とは?
ゆらぎ肌とは、その名の通り環境や気候の変化といった外部刺激、新生活の精神的ストレスによる内部刺激で一時的にお肌がゆらいでいる状態のことです。ニキビ、敏感、乾燥などの肌トラブルを引き起こします。
様々な要因で、お肌のバリア機能が低下しやすくなっており、そのままケアを怠るとシミやシワの原因になってしまうこともあるので注意が必要です。
ゆらぎ肌が起こる原因
- 空気の乾燥
冬は空気が乾燥しているイメージがありますが、実は温かくなってきた春も湿度はそんなに高くなく冬と同レベルに空気が乾燥しています。昼夜に気温差もあり、お肌の水分と油分のバランスが崩れがちになります。また春は夏に比べて分泌される皮脂量も少なくなっています。このように春は湿度が低く、皮脂量が少なく、肌の温度が高くなるため状態の為、きちんとケアしなければ乾燥肌になり肌トラブルを引き起こす原因になります。
- 紫外線
気持ちのいい暖かさになってきた春ですが、3月から紫外線の量がじわじわと増えています。
夏のように日差しがきつくないからと油断して、紫外線対策をしない状態でいると肌は日焼けのダメージをうけます。
別の記事にて、紫外線が肌に与える影響をご紹介していますのでこちらでは割愛しますが、UV-Aは春が一年で強いと言われています。UV-Aは波長が長く、肌の奥深く真皮層まで到達し、ハリ・弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出す線維芽細胞を傷つけます。シミやシワといった深刻な老化現象が起こるお肌の大敵です。
- ストレス
春は新しい職場や子供の入学、引っ越しなどで生活環境が変わることによって不安を感じストレスになることもしばしば。それに加え、寒い冬から気温が上がりあたたかくなる春には急激な気温の変化や、春特有の寒暖差などが原因となり自律神経が乱れて、「だるい」「イライラ」「やる気がでない」や「昼間眠い」「夜眠れない」などの『春バテ』といった症状が現れることがあります。
こういった不調は、肌にも影響を与え肌の代謝を低下させる大きな原因になります。代謝が低下してしまうと、皮膚を守るためのバリア機能が落ち、ニキビができやすくなります。
- 花粉・ホコリ・黄砂によるアレルギー
春には花粉の飛散量が増え、くしゃみや目のかゆみなどアレルギー反応が起こることがありますが、お肌でも同じことが起きます。アレルギー反応として肌のかゆみ、乾燥などが起こります。
また近年ニュース等目にする「PM2.5」が日本に飛んでくる時期は2~4月と春が中心です。PM2.5は粒子が細かく肌の奥にまで入り込み、人の皮膚に付着すると汗腺や皮脂腺を塞ぎ肌荒れを引き起こすといわれています。
■春のゆらぎ肌対策
ゆらぎ肌の対策として最も大切なのは『保湿』です!
保湿されていない状態だと、お肌に備わっているバリア機能が崩れてしまい、肌トラブル・老化の原因を引き起こしてしまいます。
肌のバリア機能とは、肌表面にある0.02mmの角質層がうるおいを蓄え乾燥と外部刺激から肌を守る役割のこと。バリア機能が低下すると「乾燥し、外部刺激を受けやすい」状態となり、肌トラブルを引き起こしてしまいます。さらに、お肌の新陳代謝である”ターンオーバー”が乱れさらなる肌荒れを引き起こす原因となります。
毎日のスキンケアでしっかりお肌を潤してあげることで、バリア機能を高めお肌の新陳代謝であるターンオーバーのサポートをしましょう。
春のスキンケア
肌のバリア機能が低下しているところに、紫外線や花粉などの外部刺激・内部刺激により、春の肌はダメージを受けます。春の季節を上手に乗り切るために意識していただきたいスキンケア方法をご紹介します。
■スキンケアのポイント
ークレンジングー
まず花粉や黄砂等、肌に付着したものを落とすことが重要なポイントです!
家に帰ったら早めに洗顔を行い、汚れを取り除くようにしましょう。お肌がかさついたり、ピリピリする場合はバリア機能が低下している状態です。
デリケートになっている肌をゴシゴシ洗うのは禁物。ですが、メイクや花粉・黄砂をしっかり落とせるなるべく低刺激で保湿成分が配合されているものを選びましょう。
洗いすぎによる乾燥トラブルが起こることからミルクタイプのクレンジングへの評価が高まっています。洗浄成分もマイルドなものが多く、W洗顔も不要とお肌に優しいものが多いです。乾燥肌・敏感肌の方におすすめです。
・自然由来成分配合のもの
・洗いあがりにしっとり潤うタイプのもの
・きめ細かい泡が立つ・ミルク・ジェル等肌当たりの優しいもの
などをお選びするのがおすすめです。
また顔を洗う際は、熱いお湯を使用すると皮脂は温度が高くなると溶け出し失われてしまいます。お肌は擦らないよう、乾燥肌や敏感肌の方は30~33°Cほどの水に近いぬるま湯で丁寧に落とすことを心がけましょう。
ー保湿ケアー
洗顔後は角質層に含まれる水分が蒸発しやすい状態です。できるだけすぐにたっぷりの化粧水で水分を与え、肌をやさしく押さえ浸透するよう馴染ませましょう。
さらに乳液やクリームで肌から水分が逃げないようにフタをしましょう。
お肌がデリケートですので、ヒアルロン酸、セラミド、グリセリン、尿素、などのしっかり保湿してくれる成分の入っているもので保湿ケアをするのがおすすめ。
クリームを塗る際手のひらで温めてから塗り広げれば、やわらかくなり肌馴染みがアップします。顔全体に馴染ませた後は手のひらで包み込むように優しくプッシュしてあげてください。
クリームには様々な美容成分が含まれているものが多く、肌の角層にじわじわと浸透します。睡眠中の肌をサポートしぷるるんとし潤ったお肌に整えます。
春のお肌はくすみが目立つ季節です。花粉症で目をかいたり目元が乾燥しますよね。春らしいパステルカラーのメイクが似合うようになるには、目元もしっかり美容液で保湿することが大切です。
ー紫外線対策ー
お肌のバリア機能を高めたら、日中は紫外線対策をしっかりしましょう。
日焼け止めをむらなく塗り、お顔にはファンデーションを塗りましょう。ほとんどの製品にはタルクや酸化チタンが含まれています。これらは一種の紫外線散乱剤です。オフィスや室内で過ごす時間が多い方ならSPF15程度で十分です。SPF値の高いものは、紫外線吸収剤を含み肌への負担となるものも多くあります。塗り忘れがないよう、デコルテや手の甲にもしっかりと日焼け止めを塗ってください。
内面からのケア
体の中からキレイになるには睡眠・食事・運動が美容と健康の3つが重要です。
ー睡眠ー
日本人は睡眠を軽視しがちですが、睡眠不足は肌と体さらには心にまで影響を与えます。肌は一般的に28日周期でターンオーバーしていますが、この肌の再生は睡眠中に主に行われています。睡眠に入り最初の3時間は成長ホルモンの分泌が高まります。成長ホルモンこそが肌を生み出し若さを維持する重要な働きになるのです。睡眠不足だと肌再生が損なわれ肌荒れや老化を促進する原因に。最低でも12時には就寝し、1日6時間は睡眠をとるようにしましょう。
■食事
肌の細胞を作るのには毎日食べている食事から得る栄養素が大事です。
「忙しい」「面倒くさい」といって、サプリメントなどを摂る方は多いかと思いますがやはり、栄養はサプリメントより食事からです。
美肌を作る栄養素が肌まで届くよう毎日の食事を充実させましょう。
■運動
運動をすると成長ホルモンの分泌が高まり肌代謝があがります。さらにはセロトニンの分泌を高め精神が安定。不眠やイライラを解消し、血行促進作用もあり、お肌のくすみやくまも改善されるといった嬉しい効果が沢山あります。
毎日運動は難しいという方は、5~10分程度のウォーキングを週1~2回行うよう心掛けてみてください。少し運動をするだけでも肌や体の調子はぐんと変わります。
新しい環境の暮らしに慣れるまで、日々無意識にストレスがかかることもあると思いますが、質のいい睡眠やバランスのとれた食事、適度な運動など規則正しい生活を送ることを心がけてください。
春のスキンケアは特別なものではなく、日々のお手入れをしっかりしてお肌のバリア機能を高めるのが一番です!
肌トラブルを抑えて綺麗な素肌で春を満喫しましょう。
参考文献
木更 容子(2007)知っているつもり?思い込み?スキンケアの常識・非常識 小学館
岸 紅子(2007)美肌の常識一網打尽 -読むだけでキレイになる42のヒントー 大和出版
吉木伸子(2011)素肌美人になるためのスキンケア美容医学事典-吉木式スキンケアの決定版! 池田書店
資生堂ビューティートップスペシャリスト西島 悦ほか(2014)資生堂 本気の美容辞典 スキンケア&メーク 学研教育出版