トマトを食べれば、奇跡が起こる?! 南イタリア人が信じて止まない、トマトの奇跡とは。。。
今年の秋でイタリア在住11年目になった。
十年一昔と言うが、10年前と今とでは変わったことが、いくつかある。
やはり一番の変化は、意外や結婚して二児のマンマ(母親)になったことでしょうか。そしてそれに伴い、徒歩での移動が、かなり多くなった。
ここで子育てをするには、原始的な徒歩での移動が余儀なくされるように思う。
というのは、イタリアの小学校では原則、登下校全てを保護者が送り迎えをしなくてはならない。
学校が徒歩圏内なら親も徒歩で子供に登下校同行し、遠距離ならば自家用車、または送迎バス(ルートは、ごく狭い範囲だが・・)、もしくは専門業者に委託する。
それは、学校を出てからの安全管理は全て保護者の責任となるためである。
それに、ここらへんの学校はほとんど給食もないので毎日13時半には、きっかり終わってしまう。
両親が共稼ぎの場合、毎日の学校の送迎をすることが不可能なマンマは、ダンナさん、おじいちゃん、おばあちゃん、中学生以上の兄姉、親戚の誰か、ご近所のママ友、誰も無理なら送迎業者と、誰かしらを送迎要因として調達しなければならないので、その手配に毎日必死なのである。
この送迎、結構な悩みどころで他に頼れる人間も少ない私などは、自分自身の健康管理にも気をつけるようになった。
そして、その健康管理の要といえば、やはり食生活にあり・・
と、ここで二番目に掲げる変わったこととして、10年前と今とでは確実にトマトの摂取量が増えたことである。
で、私の健康の秘訣も、もしかしてこのトマトにあるのではないか。。とも思えてきたりする。
一言でイタリア料理と言っても、食生活は北イタリア、中部イタリア、南イタリアとでは、食べるものも大きく異なる。
それは、地形的にも日本と同じように南北に長いイタリアは気候も北と南では全然違うので料理に使う食材も味付けも多種多様なのが特色なのと、
もともとイタリアは130年前まで各地方が都市国家として独立していたため、それぞれの地方で伝統的な食文化があり、個性的な郷土料理を守り続けているのが関係しているのでしょう。
そして私の住む南イタリアのサレルノの郷土料理は、オリーブオイルを多用したトマトがたっぷりな料理が多いのである。
・食用になるまでは、長い道のりがあったトマトの歴史
と、ここでトマトの歴史を遡りますとイタリアへトマトが入ってきたのは、16世紀頃といわれています。
元々は、南米からトマトの種を持ち込んで育てていたそうですが、当時は食用ではなく彩りが美しいということから観賞用として育てられていたそうです。
しかし、南イタリアの土地にトマトがとても合い、よく成長したことから貧困層で食用にしようと考える人が現れ、約200年の開発を経て、一般的に食用になったのは、18世紀頃といわれています。
そして、18世紀末に南イタリアではトマトを煮込むことにより出る旨み成分の
発見により、ドンドン料理として使われるようになっていったということであります。
・日常でよく使うトマトたち
お馴染みのパスタ、ピザ、お肉料理などのトマトソースに使われるトマトの水煮缶。毎週日曜日は、マンマが朝から何時間も煮込んだトマトソースのパスタが定番メニュー。
左側の白い缶が、代表的イタリアントマトのサンマルツァーノ種の調理用水煮缶。
右側の青い缶が、イタリアンミニトマトのチリエッジーネの調理用水煮缶。
トマトのフレッシュさと果肉感を味わうには、やはりサラダ。ビタミンEが豊富なオリーブオイルを使うのが、やはりポイントです。
また、乳製品のモッツァレラチーズとバジルの葉と一緒に食べるカプレーゼは、真夏の定番サッパリメニューです!
ドライトマトのオイル漬けがここらへんの定番。ニンニクと炒めて簡単にパスタソースにしたり、パンにそのまま挟むだけで簡単メニューの出来上がり!レシピのアレンジも豊富なのでオススメです!
・トマトが起こす奇跡とは?
さて、南イタリア、カンパニア州の首都ナポリでは、
『A Napoli il pomodoro è una mezza religione.』
『ナポリでは、トマトは、ほぼ宗教である』
という諺のような言葉があるほどトマトを食べるとさまざまな奇跡によって健康になると皆に信じられています。
まずトマトのあの独特の赤い色こそがトマトが健康野菜である証といえます。
あの赤い色の正体は、カロテノイドという天然色素になり、それに含まれるリコピンが健康に役立つ成分といわれています。
色素になるので、赤くなるほど含有量も増えるので、真っ赤なトマトほどおススメというわけですね。
このリコピンはオリーブオイルなどで調理することで増加し、熱を通しても
栄養素が壊れないことから加熱処理された缶詰やトマトケチャップに至るまで
その働きが維持されるという優れものになります。
そしてこのリコピンが、体内の活性酸素を浄化させるという奇跡の働きをもたらす栄養素になるのです!
先ずは、この活性酸素について少しお話しなければなりません。。
・活性酸素とは?
普通に生活している場合は、体内に入った酸素の2~3%が活性酸素になるといわれています。
活性酸素の働きとしては、その強い酸化力で体内に入った病原菌やウィルスを殺菌したり、有害物質を解毒したりする大切な役割を果たしてくれるものになります。
酸素を利用してエネルギー代謝を行う生物には必ず生成されるものなので、
活性酸素を浄化する機能(抗酸化作用)が体内で働いていれば、問題になるものではありません。
がしかし、活性酸素を発生させる原因は呼吸だけではないのです。
活性酸素の発生原因としては、精神的なストレス、偏った食事や飲酒、禁煙、排気ガス、紫外線、電磁波といった生活環境要因が活性酸素を増加させる要因であることがわかってきています。
そのため活性酸素が体内で分解できる量をオーバーしてしまうと、その強い酸化作用で体を錆びさせる、つまり体内の健康な細胞まで傷つけてしまい、これがガン細胞のできる一因になったり、動脈硬化などの生活習慣病の原因や老化の引き金などに深く関係していることもわかってきています。
そこで、この活性酸素の攻撃に負けない体づくりをするため、活性酸素を消去する成分をもつ食素材を摂取することが体内の活性酸素の退治につながるというわけなのです。
と、ここで先にお話したトマトに含まれる赤い色素のリコピンこそが、この活性酸素を浄化させる能力が最も高い食素材として奇跡の力を見せるのです。
なんとこのリコピンは、ベータカロチンの2倍、ビタミンEの100倍の働きを持つといわれるほどの驚異の栄養素なのです!
・元気の源!リコピンが持つ5つの効果と効能とは?
①血糖値の上昇を抑える
血糖値が高い人に医師が勧める食材のトップ3にトマトが入っているように、リコピンを摂取することで余計な血糖値上昇を防ぐ働きをする。
②コレステロール値の改善
抗酸化作用のあるリコピンによって、血液中の悪玉コレステロール値を下げ、善玉コレステロール値を増加させることにより、動脈硬化や高血圧の病気予防になる。
③中性脂肪改善
リコピンの抗酸化作用によって、体内の血中性脂肪の抑制をし血液がサラサラになり、中性脂肪を溜め込みにくい体質へと改善されていきます。
中性脂肪は、そのまま放っておくと体脂肪として蓄積されてしまうので、さまざまな病気を引き起こす原因にもなり、リコピンの脂肪細胞の増加を防ぐ働きは、病気予防に有効な効果をもたらします。
④美肌効果
紫外線が肌に当たり、外気にさらされることで活性酸素が発生し、肌の老化としてのシミやタルミ、しわなどの症状が出やすくなります。
リコピンの抗酸化作用は、肌細胞を活性酸素から守り、シミのもとであるメラニン生成を阻害し、美肌効果も得られます。
⑤老化防止
活性酸素が体内で細胞を傷つけると肌や内臓レベルでの老化が進みます。
リコピンのような抗酸化作用のある成分を摂ることは、視力や体内のさまざまな部分に良い影響をもたらすこともわかってきています。
なんだかこうしてみるとリコピン=トマトの絶大な効力に脱帽するばかりですね。
と、ここでなんと驚きのニュースを耳にすることに!!
このコラムの執筆中でありました2017年10月30日現在、イタリア国内の
法律改正により、「14歳以下の生徒の学校送迎が親の義務となる」というニュースをテレビや新聞等でやっているではないか・・
あくまでもお試しというようなゆる~い法律改正のようではあるけれど・・
なんというONTIMEな法律改正であろうか。。
14歳ということは、中学生もあてはまるではないか!このためだけにベビーシッターを雇ってまでも仕事を続けていくかは、それぞれ個人の生き方次第
ですがね。。。
このままいけば、もしかすると法律も改正し続け16、17、18歳までなんて言い出すこともありそうな国なのがイタリアである。いくつになったら、イタリアの子供たちは一人歩きができるのであろうか??
永久不変のこの送迎ストーリである。
自分の子供を守るため、法律を守るため、足腰丈夫でいるために、今日もトマト料理を食べようではないか!今となっては、トマトなくして料理は出来ない。
皆様も真っ赤なトマトの奇跡を信じて、トマト料理をもっと頻繁に食卓に上げてくださいね。美容、健康維持には、真っ赤なトマト!是非共、おススメです!