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見た目年齢を左右する「シワ」

見た目年齢を左右する「シワ」

シミと並んで女性の肌の大きな悩みと言えば「シワ」でしょう。見た目年齢にシワは大きく影響します。

今回は
・シワはどうして出来るのか?
・シワの治療はどこまで可能なのか?
・シワへの対応
等を順にお話していきます。

 

シワの出来るメカニズム

シワの原因は大きく分けて3つあります。

1)真皮層にある「膠原線維(コラーゲン)」「弾性線維(エラスチン)」の減少と変性

コラーゲンやエラスチンという言葉は皆様もよく耳にされていると思います。

膠原線維(コラーゲン)とは、真皮層にある主要な組織成分であり、極めて強靭で皮膚の強度を保つ支持組織の役割を担っています。細線維という一本の細い基本単位が集まって形成されており、細い線維が多く集まった線維ほど太くて強靭です。つまり細い糸が何本も合わさって太い縄になっているイメージです。

弾性線維(エラスチン)とは皮膚の弾力性を作りだす線維で、膠原線維に比べて強靭ではありませんが、弾力性に富んでいます。この組織は頭皮および顔面に多く存在します。

皮膚は膠原線維(コラーゲン)が支柱となり、その間に弾性線維(エラスチン)が張り巡らされることで支えられています。

肌の真皮層にある組織「膠原線維(コラーゲン)」「弾性線維(エラスチン)」が、加齢等で減少・変性してくると、肌の弾力が失われシワになります。その最も大きな原因は「光老化」を引き起こす紫外線です。紫外線がシミの原因になることは皆様もご存知と思いますが、シワの原因にもなります。肌の老化要因の80%は光老化であると言われています。

以前にもお話しましたが、紫外線には種類があります。その中でシワの原因になるのはUVAです。UVAは波長が長く肌の真皮にまで到達するため、ハリや弾力に関係する組織成分の「膠原線維(コラーゲン)」「弾性線維(エラスチン)」を傷つけ、シワの原因を作り出します。また紫外線を浴びることで発生する活性酸素により細胞がダメージを受け、こちらもシワの原因になります。

光老化の恐ろしさについて述べますと、数分間、紫外線を浴びただけで、数時間以内に皮膚の膠原線維、弾性線維を切断する酵素が作られます。子供の頃は次々とコラーゲンやエラスチンが作られるので、新しい線維が出来てシワになりません。しかし年齢を重ねた肌は新しい線維を作る力が衰えて、傷ついた線維が増え、シワとして蓄積されると考えられています。

光老化によってできるシワは深く濃いことが特徴です。同じ日本でも紫外線の量の少ない北陸・東北地方の方より、紫外線の多い沖縄地方の方のほうが比較的深いシワが目立つ方が多いのはその現れと言えましょう。

 

2)お肌の乾燥

シワのもう一つの大きな原因は肌の乾燥です。肌の水分や皮脂の量が不足すると、皮膚は自身を守ろうとして角質層が分厚く硬くなり、キメが乱れて隙間が出来ます。このことがシワに繋がります。皮膚が薄い目や口の周り等が特に乾燥しやすい部分ですのでケアが大切です。

乾燥によるシワは皮膚の表皮のものなので、上述の光老化によるシワとは異なり、浅く細かいのが特徴です。ただし、ほっておくと細かいシワが増え、それが結びついて深くなってしまうので、例え細かいシワであっても早目に対応するようにしてください。昨今はエアコンディショナーの効いた室内で長く過ごす時間が増えましたが、エアコンをつけた室内は乾燥しているので、湿気の多い季節でも肌の乾燥を引き起こす恐れがあります。一年を通じて肌の乾燥には気を付けたいものです。

 

3)表情筋の動き

膠原線維(コラーゲン)や弾性線維(エラスチン)が徐々に変性して皮膚の弾力が低下していくことに加えて、顔をしかめたり笑ったりすることで、次第に眉間や目尻、顔等に固定された「表情ジワ」が目だってきます。顔には40個以上の表情筋があり、この表情筋の収縮によって生じるのが表情ジワです。

以上の原因からも分かりますように、シワの予防には紫外線対策と乾燥対策が非常に重要になります。
まずはサンスクリーン剤(日焼け止め)をしっかりと使用して、お肌を紫外線から守ることで「光老化」を防ぎましょう。

サンスクリーン剤ではシワの原因となるUVAの予防効果は+の数で表示されています。
+の数は1~4まであり、数の多い程、UVAのブロック度が高くなります。
日常生活では++で大丈夫ですが、長時間屋外で過ごしたり、レジャーに行く場合は、+++以上のものを用いることをお勧めします。

併せて保湿効果の高い化粧品でスキンケアをすることも大切です。

角質層のバリア機能を高めるためにも保湿剤の入った化粧品を使うことが有効になります。

また活性酸素の発生を防ぐために抗酸化作用のある食事やサプリメント、美容液等を使用するのもよいでしょう。
禁煙やストレスをためない規則正しい生活を心がけることも大切です。

 

■一度出来たシワは治すことができるのか?

1)スキンケア商品による対応

最近では、真皮層のコラーゲンやエラスチンの再生を促す成分が含まれているスキンア商品が市販されています。特にシワに効果がある化粧品として、ビタミンAの誘導体であるレチノール酸を配合した美容液があります。

有効成分のレチノール酸には、皮膚を若返らせる効果があります。繊維芽細胞を活性化することで肌内部のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の量を増やすことや、肌のハリや弾力を維持する効果が期待できます。肌のターンオーバーを促進させる効果もあり、肌の新しい細胞の生まれ変わりを活発にすることで、シワの改善にも繋がります。さらにレチノール酸には抗酸化作用があるため、光老化の防止にも効果が期待できます。

皮膚の薄い目元の小ジワ対策には化粧品各社がアイクリームを出しています。最近ではアイマスクも出ていますので、これらを活用してケアをするのもよいでしょう。

 

2)医療機関でのボトックス治療

シワの中でも表皮にできる浅いシワ、表情ジワは、ボトックス治療の適応があります。

ボトックスビスタ®は、シワの治療法の1つであるボツリヌス治療に用いられる注射薬です。眉間や目尻等の筋肉を動かすと出来る表情ジワのある部分に注射することで、原因となっている筋肉をリラックスさせ、眉をひそめた時に出来る眉間の表情ジワや、笑った時にできる目尻の表情ジワが次第に目立たなくなります。

日本国内で唯一、眉間、目尻の表情ジワの治療に用いられるボツリヌス治療薬として、製造販売承認を取得している医療用医薬品「ボトックスビスタ®注用50単位」があります。

ボトックスビスタ®による治療はメスを使わないので、短時間での施術が可能であり、治療後のダウンタイム(腫れたり、傷にテープやガーゼを貼る必要があったり、メイクができない等、日常生活に何らかの支障が出る期間)がほとんどないため、通常の生活にほぼ影響がありません。

細い針で目的の筋肉に数ヶ所ボトックスビスタ®を少量注射することで、表情筋の収縮を抑え、表情ジワを治すことができます。

 

■サプリメントの可能性

 紫外線はシワの原因になりますので、飲む日焼け止めのサプリメントはシワの予防効果が期待できます。また紫外線や加齢、ストレス等により発生する活性酸素はシワの原因の一つなので、抗酸化作用のあるサプリメントもシワにも有効と考えられます。

乾燥による小ジワに対しては、保湿が有効になります。コラーゲン等、保湿に有効とされる成分が入っているサプリメントも多く出ていますが、果たして内服するもので保湿が出来るのか?諸説ありますが、ちょっと難しいかと考えます。

プラセンタ入のサプリメントに関しては、女性ホルモンのバランスを整え、アンチエイジング効果がある成分ですので、シワにも多少効果は期待できるかと思います。

サプリメントはあくまでも補助として用いるものです。食生活を疎かにしてサプリメントに頼ることは避けましょう。

 

■シワ予防の顔や口の体操は効くのか?

 表情ジワは、顔の表情筋肉の同じような動きの蓄積や、年齢に伴う顔の筋肉の衰えによって生じます。体と同様に加齢に伴い、顔の筋肉が衰えることがタルミの原因となり、法令線が目立ってきます。そのため常に同じ表情をしない工夫や、表情筋のエクササイズ等をすることで、改善の可能性はあると考えます。※シワとタルミは微妙に違います。法令線に関してはまたお話する機会があるかと思います。

美容家の一部では顔や口の筋肉を鍛える体操が推奨されており、それらに使用する美容機器も販売されていますが、果たしてそれが本当にシワの改善に繋がるのかは未知数です。研究家の間でも意見が分かれており、確証が無いのが現状です。

またマッサージや美顔器等は、しっかりとした知識の無い素人にはお勧めできません。無理にこすったり、強くマッサージすることで、皮膚の表面を傷つけたり、真皮の線維を傷つける可能性が高く、余計にシワを悪化させることにもなりかねません。

確かな技術を持ったエステティシャンによる、筋肉にアプローチしていけるようなマッサージや顔のコリをほぐすマッサージ等は、筋肉の緊張を緩め、引き上げることが可能だと思いますので(体と同様に)、有効と思います。ただエステティシャンの技量には大きなばらつきがあるのも事実ですので、一概にエステに頼ることは賛成しかねます。

 

■シワに良い食品

 シワに良い食品は紫外線のコラムの時にも紹介しました抗酸化作用のある食品が挙げられます。少しおさらいして簡潔に記しておきましょう。

・コラーゲンの合成を促進するビタミンC
イチゴ、レモン、キウイ、ホウレン草、ジャガイモ等

・強い抗酸化作用のあるビタミンE
アボカド、ピーマン、ブロッコリー、すじこ・たらこ等の魚介類、ナッツ類

・活性酸素を除去してくれるβカロテン
ニンジン、カボチャ、ブロッコリー等

・とても強い抗酸化力のあるリコピン
トマト、スイカ、柿、赤いパプリカ等

・強い抗酸化力のあるアスタキサンチン
エビ・カニ等の甲殻類 紅鮭・いくら等の魚介類

上記に加えて、ビタミンAの一種である「レチノール」は皮膚細胞に浸透すると基底層に働きかけてDNAを刺激して、表皮細胞の生まれ変わりを活発にする働きがあります。肌のターンオーバーが促進されることで、老化によるシワの改善が期待できます。

レチノールは緑黄色野菜やレバー、卵、乳製品に多く含まれています。

 

■シワと見た目年齢の関係

 日本人はシワに関しては欧米人よりも、全体的に少ないと思います。

理由は、バカンスで思いっきり日焼けする欧米人よりも、日常的に紫外線予防をよくしていること、欧米に比べ空気の乾燥する季節が短く限られていることが挙げられます。さらには骨格や顔の造作も関係していると考えられます。

これらの理由から、日本人は比較的シワが少なく、欧米人より若く見られる傾向にあります。
若く見られることに比重を置き過ぎるのはよくありませんが、せっかく良い条件を持っているのですから、シワ対策を怠らず、いつまでも若く見える肌を保ちたいですね。

ただ近年はエアコンの効いた空間での生活時間が長くなっていますので、秋から冬に限らず、保湿対策は年中怠らないように気をつけましょう。

 


松田七瀬 マエダクリニック勤務 http://maedacl.jp/
経歴 平成17年 大阪市立大学医学部付属病院 初期臨床研究医
平成19年 大阪南医療センター皮膚科
平成20年 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター
平成25年 シロノクリニック 大阪市内皮膚科クリニック等で勤務
所属 日本皮膚科学会認定専門医 日本抗加齢学会専門医
日本皮膚科学会 日本美容皮膚科学会 日本アレルギー学会
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会 日本抗加齢医学会

2017.11.10 column