美肌レシピNo.20「コック・オ・ヴァン」

冬がやってくるとホッコリと温まるお料理が食べたくなりますね。その代表にシチュー等の煮込み料理がありますが、今回は「コック・オ・ヴァン」をご紹介します。コック・オ・ヴァンとは鶏肉を赤ワインで煮込むフランスを代表する家庭料理です。
随分以前ですがこちらの料理が登場する恋愛小説を読んだ記憶があります。主人公の女性がコック・オ・ヴァンを作って恋人が来るのを待つ場面があり、どんな料理か気になり調べました。赤ワインで煮込むフランス料理が、とてもお洒落に感じ自分も作ってみたいと思ったものです！
日本人が日本酒をお料理に用いるように欧米人はワインを用います。コック・オ・ヴァンはブルゴーニュのお料理なので、本当ならブルゴーニュのピノ・ノワールを使っていただきたいのですが、500mlも使うのでちょっとお値段が嵩みますね。そこでお勧めはリーズナブルな南米産のピノ・ノワールです。こちらを使っていただいても結構美味しく仕上がります。　一緒にいただくワインももちろんピノ・ノワールで！明るいルビー色の液体に心も体も満たされて幸せな気分になること間違いなしです。ご家族や恋人と召し上がってください。

材料
＜2～3人分＞
鶏もも肉（骨付）　　2本
塩（下味）　　　　　適量
赤ワイン　　　　　　500㏄
強力粉　　　　　　　適量

A：玉ねぎ（5mm角）　100g
A：人参(1cm角）　　　60g
A：セロリ(1cm角）　　60g
A：にんにく(1cm角）　1片
A：ローリエ　　　　　 1枚
A：粒黒こしょう　　　 小さじ1

トマトペースト　　　　　　　大さじ1
鶏ブイヨン　　　　　　　　　200㏄
米油（炒め用）　　　　　　　適量
ペコロス（プチ玉ねぎ）　　　4個
マッシュルーム（添え野菜）　4個

1. 鶏もも肉に軽く塩をふっておく。軽く下茹でしたペコロスと、縦半分にカットしたマッシュルームは焼いておく。
2. 1とAの材料を合わせて、赤ワインを注ぎ、冷蔵庫で一晩漬けこむ。
3. 2をザルにあげ、鶏もも肉、Aの野菜、煮汁をそれぞれ分ける。
4. フライパンに米油を入れ、水気をふき取って強力粉をまぶした鶏もも肉をこんがり焼いて取り出す。
5. 4のフライパンに再び米油を入れ、Aの野菜をしんなりするまで炒める。
6. 鍋に、4の鶏もも肉、5の野菜、トマトペースト、鶏ブイヨン、3の煮汁を入れて、鍋ごとオーブンに入れ、160°で40～45分焼く。
7. 仕上げにペコロス、マッシュルームを添える。

鶏もも肉の効果・効用

鶏もも肉は鶏肉の部位では最も人気があり、和洋のあらゆるお料理に使えます。良質のタンパク質で、ビタミン、ミネラルが豊富です。今回は骨付きを用いました。骨付き肉にはカルシウムが多く、また女性に嬉しいコラーゲンもたっぷりです。美容と健康に良いので他のお料理にも積極的に活用していただきたいです。

潤いのある若々しいお肌に: 骨付きの鶏肉に含まれているコラーゲンがいかにお肌に良いかは皆様もご存じですね。冬は鍋料理にも用いてください。コラーゲンたっぷりのスープまでいただきしょう。

皮膚炎の予防と二日酔い防止: 鶏肉に豊富に含まれるビタミンの1種、ナイアシンはエネルギーの代謝に係わる働きがあり、不足すると皮膚炎になると言われています。さらにアルコール成分を分解する働きがありますので、これからの季節には二日酔い防止のためにも食べたいですね。

玉ねぎの効果・効用

玉ねぎでまず思い浮かぶのが血液サラサラ効果です。これは玉ねぎに含まれる硫化アリルの効能です。硫化アリルの効果を得るには生で食べることが一番ですが、テレビの健康番組では加熱する前に切って15分程置いておくと比較的有効成分が損なわれないと言っていました。他にもヘルシーな成分がたくさん含まれており、多くのお料理に使える優れた万能野菜です。ご家庭の常備菜として欠かさずに置いておきましょう。

女性に嬉しいデトックス効果: 玉ねぎにはカリウムが多く含まれています。カリウムは余分な水分、塩分を体外に排出しますので、女性に多いむくみを改善してくれます。

シミ、シワの改善: 玉ねぎの成分ケルセチンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールには強い抗酸化作用があり紫外線からお肌を守るので、シミ、シワの予防や改善が期待できます。

腸内環境を整えて便秘改善: 玉ねぎは不溶性と水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。不溶性は便の量を増し便秘の改善につながります。一方の水溶性は腸内の善玉菌の餌になり環境を整えてくれます。きれいな腸は美肌の元です！

マッシュルームの効果・効用

マッシュルームは食物繊維とビタミン、ミネラルが豊富、おまけに低カロリーで、ダイエットにはぴったりの優れた食材です。旨味成分も多くあり、ホワイトやオフホワイトのものは生でも火を通してもいただけます。お料理の副菜だけでなく、サラダやスープ等に幅広く活用したいですね。

お肌の調子を整える: 食物繊維やビタミンＢ群の美容効果はすでに多くの食品でお話してきましたが、マッシュルームにはパントテン酸やナイアシンという代謝に係わる成分も豊富で、お肌の調子を整えてくれます。

米油の効果・効用

コック・オ・ヴァンはオリーブオイルを用いるレシピも多いようですが、今回はほとんど香りがない米油を選びました。
実は米油はオリーブオイルよりビタミンEが多いことをご存じでしたか? ビタミンEは美肌には必須です! どのような食材にも合うクセのない油ですので、炒め物等、他のレシピにも使ってください。

年末年始はご馳走を食べる機会が多くあります。美味しい食事をいただくことは幸せですが、食べ過ぎると生活習慣病になってしまう可能性も否定できません。そこで意識的に摂っていただきたいのが、食物繊維の多い野菜やキノコです。食物繊維の多い食品は血糖値の急な上昇を抑制する効果があると言われています。
メインディッシュに添えられる副菜はお料理の脇役でも健康の主役ですので、意識して食べていただきたいです。

ターブルドール代表　http://www.tabledor.net/

三好万記子(Makiko  Miyoshi)

パリに3年間滞在中、フランスの食文化に興味を持つ。
Le Cordon Bleu Paris、Ritz Escoffier Parisに通い、
Madame Pascale Alemany から家庭料理を学ぶ。
テーブルコーディネートを二木榮海氏に師事。

主婦、二児の母親の経験を活かし、家庭でも簡単にできるデイリーフレンチをベースとしたおもてなし料理を教えるサロンを主宰。出張料理人としても、一般家庭のホームパーティーから、企業のレセプションなどで立食からコース料理までパーティーのスタイルに合わせたケータリングを始める。料理だけでなく、インテリアコーディネーターの資格をいかし、おもてなし空間作りのアドバイスやテーブルコーディネートの提案など、パーティーやイベント企画などの活動も多数。

＜資格＞
Le Cordon Bleu料理ディプロム
Ritz Escoffier Paris菓子ディプロム
インテリアコーディネーター