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女性の一番の肌の悩み「シミ」

シミができるメカニズム

美白志向の強い日本女性にとって肌の一番の悩みと言えば「シミ」でしょう。シミは加齢とともに出来るもので中高年の女性でシミが全く無い方はほとんどいません。ではシミはどうして出来るのでしょうか?その辺りのことを分かりやすくお話したいと思います。

先のコラムではシミの大敵「紫外線」について書きましたが、肌に紫外線を浴びますと、皮膚の表面の表皮組織「ケラチノサイト」に活性酸素が発生します。

活性酸素は本来、体に侵入した細菌や刺激等から細胞を守ることが役目で、体にとって必要なものではありますが、ただ増えすぎると逆に細胞にダメージを与えて肌老化の原因になります。このダメージをやわらげて肌細胞を守ろうと働きだすのが、プラスミンやプロスタグランジンという情報伝達物質です。これらの情報伝達物質はメラニン色素を作りだす基底層にある細胞「メラノサイト」に、肌の色素を濃くして肌を守ろうとするシグナルを出します。

つまりメラニンが生成される理由は、紫外線から自分自身の細胞を守ろうとする防御作用なのです。指令を受けたメラノサイトは、シミの元となるチロシナーゼという酵素を活性化します。この酵素により次々にチロシンというアミノ酸の一種が徐々に変化してドーパになり、そのドーパがドーパキンとなり、最終的にメラニンになるという連鎖反応を起こします。メラノサイト内で作られたメラニンは肌の表面に押し上げられ、ケラチノサイトに次々と受け渡されます。本来ならメラニンは皮膚のターンオーバーにより排出されますが、ターンオーバーがきちんとされない、あるいはメラニンの産生が過剰になると、肌に蓄積されてシミになります。

ターンオーバーがスムーズにされると理論上はシミは出来ないはずなのですが…私たちの生活にはターンオーバーの乱れにつながる要因が多く存在します。加齢、ストレス、睡眠不足、偏った食生活、ホルモンバランスの乱れ、長時間のメイクによる肌の負担等が、その要因に挙げられます。

シミの種類

一言で「シミ」と言いますが、シミには種類があります。シミに悩まれておられる方は、まずご自身のシミの種類を知ってから、適切な治療を受けるべきです。シミの治療を誤ると却って悪化を招くこともありますので注意してください。

1 老人性色素斑

老人性となっていますが、日焼けにより出来る一般的なシミです。個人差はありますが、早い方は20代から出だします。紫外線が当たりやすい頬の高いところや、こめかみを中心に、境界のはっきりした茶色の色素斑が大小さまざまな大きさで現れます。

・治療方法 レーザー治療/ 光治療/ 美白剤外用

2 肝斑

主に30~50代の女性の頬に左右対称にぼやけたように現れるシミです。額や鼻の下に現れることもあります。肝斑がなぜ出来るのか?その理由はまだはっきりと解明されていませんが、女性ホルモンの影響が大きいと考えられています。その証に男性の方にはごく稀にしか肝斑はみられません。さらには皮膚への過剰な刺激も要因に挙げられています。

・治療方法 ビタミンC+トラネキサム酸内服/ レーザートーニング/ 光治療/イオン導入/ 美白剤外用

3 雀卵斑

一般的にはソバカスと呼ばれているものです。子供の頃より両頬や鼻にかけて現れる多数の小さいシミで、遺伝的な影響を受けやすいと言われています。日本人よりも比較的、欧米人に多くみられます。

・治療方法 レーザー治療/ 光治療

4 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)

盛り上がったシミのことで、一般的には老人性の「いぼ」と言われていますが、早い人では20代後半から現れることもあります。顔の正面よりも側面に現れやすく、体にも出来ます。遺伝や体質的に出来やすい人があります。

・治療方法 冷凍凝固法/ 炭酸ガスレーザー/ 切除

5 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

10代以降より左右対称に現れる灰色から青みがかったシミで、アザに分類されるものです。色素の原因となるメラニンが、通常のシミとは異なり真皮(皮膚の深い部分)にあることが特徴です。肝斑と合併しているケースも多く見られます。女性に圧倒的に多いため、女性ホルモンと関係がある可能性も考えられますが、残念ながら、まだ原因は解明されていません。

・治療方法 レーザー治療/  ※外用療法はあまり効果が期待できません。

6 炎症性色素沈着

湿疹やニキビ、キズ等、皮膚の炎症の後に茶色く残った色素斑のことを言います。日焼けや摩擦により濃くなりやすいです。時間の経過とともに徐々に薄くなっていきますが、稀になかなか消えないこともあります。

・治療方法 ビタミンC+トランキサム酸内服/ 美白剤外用/ イオン導入

あらゆるシミにおいて、紫外線は大きく影響し悪化の原因にもなります。ですから日中に紫外線ケアを行うことは必要不可欠です。塗る日焼け止め、飲む日焼け止めを活用しましょう。特に夏は紫外線が強くなりますので、こまめに日焼け止めを塗りなおしたり、帽子や日傘、サングラス、UVカットのある衣類を着用して紫外線からお肌を守ってください。ただ必ずしも紫外線がシミの発症に係わっているわけではありません。シミの種類によって、例えば、後天性真皮メラノサイトーシスや肝斑は紫外線が発症の要因とは言いきれません。

肝斑

先の項目でシミの種類について書きましたが、女性に圧倒的に多いシミで、紫外線との係わりが薄い肝斑について、詳しくお話したいと思います。

肝斑は頬骨の辺りや顔、口唇にできやすく、左右対称にモヤモヤとしたシミが出来るのが特徴ですが、人によっては若干左右差が生じることもあります。30~50代にかけて発症することが多く、先に述べましたようにはっきりとした原因はまだ分かっていません。考えられているのは、皮膚への慢性的な刺激、例えば・洗顔の際にタオル等で顔を強く拭く

・化粧を落とす際に手やティッシュでゴシゴシ強くこする等、によるバリア破壊と、それに伴う炎症性色素沈着が背景にあると言われています。

女性ホルモンとの関連性も指摘されています。そのため女性に圧倒的に多い症状で、妊娠や生理、経口避妊薬の使用で悪化したり、閉経後に回復しやすい傾向にあります。(臨床例として70代の女性にはほとんど肝斑は見られません)

多くのシミは紫外線が主な原因のため、紫外線対策をして防いだりレーザー治療を行うことができますが、肝斑の治療は単純ではありません。難しく再発も多いため、長期的、継続的な治療が必要になります。多くのシミ治療に使われる一般的なレーザー治療は、むしろ肝斑の色を濃くして悪化させる場合もあります。他のシミと併合していることも多いので、一方のシミには効果があっても、肝斑のほうが悪化してしまうことも十分にありえます。女性としては短期的な効果を期待したい気持ちはよく分かりますが、肝斑に関しては長期的に根気よく治療を続けることが非常に大切です。そのため自己判断や専門的な知識のない医療従事者、非医療従事者での治療は避け、経験の豊富な専門医による治療をお勧めします。


☆肝斑の治療方法☆

肝斑の予防の注意事項として、こすらないこと…強い刺激は禁物です。

強いレーザー治療(世間一般に言われている「シミとりレーザー」)も避けてください。逆に肝斑を濃くしてしまう可能性が高いです。

1 トラネキサム酸内服

はっきりとは解明されていませんが、プラスミンという物質が色素細胞の増殖やメラニン生成のいずれかの部分を活性化することから、トラネキサム酸の抗プラスミン作用による効果があると考えられています。トラネキサム酸自体がメラニン生成系のいずれかの部分を阻害するという意見もあります。

2 イオン導入

医療機器を使っての治療です。微弱電流を使ってビタミンCやトラネキサム酸等、肝斑 に効果があるとされている成分を肌の奥へと浸透させるものです。一般的な外用よりも、有効成分がかなりよく浸透するとされています。

3 フラッシュライト

光治療、フォトフェイシャルとも言います。メラニンを多く含む組織に光を吸収させ、発生する熱で患部の組織を変性、脱落させる方法です。ただこの治療の成果には個人差が大きく、中には合わなくて、却って肝斑が濃くなり悪化する場合もあります。

4 QスイッチNd:YAGレーザー(レーザートーニング)

炎症をおこさない程の弱いパワーでレーザーを照射して、皮膚の中に滞留しているメラニンを少しずつ壊していくことで、肝斑への効果が期待されています。肝斑治療には直接に関係ありませんが、同治療のレーザーは波長が長いため、真皮層にまで届き、コラーゲンの産生も促します。このことで肌のハリやキメが改善し、毛穴の開きや法令線(口もとのシワ)や目元のシワまで緩和させます。さらにはリフトアップ効果もみられ、現在、アンチエイジングに注目されている治療法です。

5 ハイドロキノン外用

ハイドロキノンは美白剤で、チロシナーゼの活性を阻害することで、メラニンの産生を抑える効果があります。シミには高い効果があるため、肝斑にも効くと期待されています。

上記のいずれの方法も肝斑への効果は期待できますが、個人差がかなり大きく、コレと言って確立された治療法がないのが現状です。

まずは上述しましたように、こすらないことを心掛け、トラネキサム酸の服用から始めることがお勧めです。経過をみて、ご希望があれば他の治療と併用していくことになりますが…「こすらない」「トラネキサム酸」だけでも、非常に効果があった方も多いです。

 

シミケアにお勧めの食事

シミに良い食事には、肌のターンオーバーを整え、抗酸化力の強いビタミンC、ビタミンB1 、ビタミンE、アスタキサンチン、ポリフェノール、βカロテン、リコピン等の有効成分が含まれているものがお勧めです。

前回の紫外線ケアの食事にも書きましたので簡単におさらいします。

・ビタミンCはメラニン生成を抑制、抗酸化作用があり、主に果物や野菜に多く含まれます。果物ではイチゴ、レモン、キウイ等、野菜ではカリフラワー、ブロッコリー、ホウレン草、ピーマン、ジャガイモ等に多く含まれます。

・ビタミンB1は細胞の再生や成長の促進、皮膚の新陳代謝を高める働きがあり、豚肉、鰻、いくら等、肉や魚に多く含まれます。

・ビタミンEは強い抗酸化作用があります。 野菜ではアボカド、カボチャ、ピーマン、ブロッコリー、ホウレン草等。魚介類では、すじこ、たらこ、かずのこ、ほたるいか等に含まれ、ナッツ類にも多く含まれています。

・アスタキサンチンはビタミンCの6000倍とも言われる非常に強力な抗酸化力があります。代表はサーモンです。他にもエビやカニの甲殻類に含まれています。

・ポリフェノールはブルーベリーやイチゴ、スモモ等の果物、さらには赤ワイン、コーヒーや紅茶等の嗜好物にも含まれており、こちらも強い抗酸化力があります。

コーヒーや紅茶は日常的に飲む人が多いですが、カフェインも多いため、胃への影響もあるので摂りすぎは禁物です。

・βカロテンは人参や緑黄色野菜に多く含まれ、活性酸素を除去して、肌を強くする効用があります。

・リコピンは非常に抗酸化力が強く、βカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と言われています。代表的な食材はトマトです。他にも赤い色の果物や野菜には多く含まれています。夏の果物として欠かせないスイカもリコピンが豊富です。

 

■特にお勧めしたいビタミンC

先に紹介しました栄養素の中で特にお勧めしたいのはビタミンCです。随分以前からビタミンCは美白の定番とされてきましたが、人は体内でビタミンCを作ることはできませんので、外から摂らねばなりません。ビタミンCの摂取は1日100mgが推奨されていますが、少量ではシミに対する効果は期待できません。シミ対策としてビタミンCを摂取するのであれば、個人差はありますが、1日500mg~2000mgが必要と言われています。この量を全て食事でまかなうには少し無理がありますので、シミを治したいと思われている方はサプリメントを利用して補うこともよいかと考えます。

一つ気をつけていただきたいのは、ビタミンCは水溶性のため水に溶けやすく、せっかく摂取しても体外に排出されやすく、体の中に留めておくことが難しいことです。そのため一度にたくさん摂るのではなく、一日、数回に分けてこまめに摂取すると効果があります。また満腹時にはよく吸収されるので、食後すぐに摂ることがお勧めです。食後のデザートにフルーツをいただくのは理にかなっていますね。

同じ体に良いビタミン類でもADEKは脂溶性のため、過剰投与による副作用の可能性がありますが、Cは非常に安全で、もしも多量に摂取したとしても下痢をするくらいで、大きな副作用、中毒症状、催奇形性(妊娠中の女性が薬物を服用したときに胎児に奇形が起こる危険性のこと)等はありません。安心して摂取して良いビタミンですので、美肌、シミ対策の食生活に活用してください。

 


松田七瀬 マエダクリニック勤務 http://maedacl.jp/
経歴 平成17年 大阪市立大学医学部付属病院 初期臨床研究医
平成19年 大阪南医療センター皮膚科
平成20年 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター
平成25年 シロノクリニック 大阪市内皮膚科クリニック等で勤務
所属 日本皮膚科学会認定専門医 日本抗加齢学会専門医
日本皮膚科学会 日本美容皮膚科学会 日本アレルギー学会
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会 日本抗加齢医学会

2017.07.05 column