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目的に合った制汗剤の種類・使い方

日本の夏は湿度が高く、毎日汗をたくさんかいてしまうので、女性男性問わず制汗対策に頭を悩ませるシーズンです。近年では年中ドラッグストアやコスメショップに汗対策コーナーが設けてあります。さまざまなタイプの制汗剤が並んでいてどれを選べばいいのかわからない…と困ったことはありませんか?

そこで制汗剤の選び方についてご紹介します。汗の種類や目的によって使い分けるのが効率の良い方法です。どんな風に汗を抑えたいのか、自分の汗の種類を確かめてベストなアイテムを選びましょう。


■汗のニオイの原因は?
人間の皮膚には汗を出す汗腺の他、皮脂を出す皮脂腺があります。この汗と皮脂が混ざり合って空気に長い時間触れていると、成分が弱アルカリ性から酸性に変化します。これを酸化と言います。この酸化した汗汚れは肌の表面にいる常在菌の大好物。通常なら特に問題を起こさない常在菌が、大量繁殖することであの独特の汗のニオイを作り出してしまいます。
酸化はこまめに拭き取るのが最も効果的です。元々、体内から出た直後の汗や皮脂はほとんどの場合、無臭です。もちろん内臓の不調やストレスなどによってニオイがきつくなってしまう場合もあるのですが、ほとんどの人のニオイの元は「酸化」が原因です。酸化するまでには時間がかりますので、「汗をかいたら拭く」という原則を徹底すればある程度、ニオイを防ぐことができます。

■なぜ制汗剤は汗に効果的なの?
制汗剤の仕組みはいたってシンプルで、制汗・消臭の役割があります。制汗剤によく含まれている成分に「塩化アルミニウム」というものがあります。この塩化アルミニウムには汗を抑える作用があります。お肌に塩化アルミニウムをつけることによって皮膚のたんぱく質に働きかけて、血管を縮めて汗の分泌を抑える効果が出るのです。このように血管などを縮める作用のことを「収れん作用」と言います。体臭も抑えることができる便利なものですが、体質的に収れん剤が合わない人もいるので注意が必要です。薬品には副作用の不安が必ずついてくるので、制汗剤を使用する前に使用上の注意事項を熟読する必要があります。

■デオドラント剤と制汗剤の違い
一言で「制汗剤」と言っても、たくさん種類があります。
目的とは違う効果のあるアイテムを使用すると「効果がない…」とがっかりしてしまう結果になってしまいます。まずは制汗剤の種類をしっかりと知りましょう!

多くの人が混同してしまうのが「制汗剤」と「デオドラント剤」の2種類です。どちらも制汗剤として販売されていますが、デオドラントと制汗剤は全くの別物です。デオドラントは雑菌の繁殖を防いで汗のニオイを抑えるもの、制汗剤は汗を一時的に減らすものです。

〇制汗剤

「汗の量を一時的に減らす」ことを目的として作られているのが制汗剤です。汗腺の多いワキ、背中、お腹などに使用し、体内からにじみ出る汗の絶対量を軽減させます。

〇デオドラント剤
「汗のニオイを抑える」ことが目的です。主原料に金属成分や殺菌力の高い成分が配合されていることが多く、体内から出てきた水分(汗)に菌が繁殖するのを防ぐことで、ニオイを抑える効果がある商品が多く開発されています。

制汗剤という括りで混同しやすいですが、「汗の量」を減らす目的のものと「汗のニオイ」を抑える目的のもの、といった違いがあります。お洋服にシミを作りたくない、汗をかいている状態を素早くリセットしたい、という場合は制汗剤を、ニオイが気になる、長時間拭き取ることが出来ない状況がある人にはデオドラント剤が良いと言えるでしょう。どちらも使用する前は汗をシートやタオルで拭き取り、清潔な状態にしてから使いましょう。

■各タイプのメリットでデメリット
汗の量もニオイも、両方対策したい!という方は、この2種類を正しく使い分けるのが「正しい汗対策」になります。店頭にいくつもの制汗アイテムがありますが、特徴や効能とは別に、スプレーやシートなど様々な形状のものがあります。ここでも「どのタイプを使うべきか?」と悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
ご自身の汗対策の目的がハッキリしたら、次は「自分の汗のタイプ」を確認し、ぴったりの形状のアイテムを選びましょう。

〇スプレータイプ市販されている制汗剤の中で一番種類が多いのがこのスプレータイプです。店頭でよく見かける方も多いのではないでしょうか。ひんやりした制汗剤が吹き出てきて清涼感が高く、暑い季節に涼しさを感じたい人にも人気があります。石鹸のニオイなどがする香料タイプと無臭の無香料タイプの2種類が販売されています。汗のにおいや体臭がきつい人は香料タイプもオススメですが、自分の体臭のニオイとの相性もあるので無香料のタイプのほうが無難です。一番のメリットは広範囲に簡単・均等に使用できる点です。脇以外にも腕や足、背中などにも吹き付けることができます。
デメリットとしては容量が若干少ない点です。制汗剤を使用する際は軽く汗を拭きとってから直接お肌につけてください。

〇シートタイプ

湿度の高い日本は、梅雨時期から秋にかけて60〜70%以上の湿気が外気に含まれる場合も少なくありません。こうした湿度と気温による汗はじっとりとした汗になりがちです。体質によっても差がありますが、皮脂分泌や肌代謝が活発な人の場合、じっとり汗に皮脂や老廃物が混ざり込み、ベタベタと張り付くような汗になってしまいやすいとされています。ベタベタした汗の場合、水分を多く含み、汗以外に皮脂や汚れを拭き取れるシートタイプでサッパリと拭き取る方がオススメです。大きさもポケットティッシュ程度のもので携帯しやすいのも嬉しい点です。
デメリットとしては、汗やニオイを止める作用が弱いことです。どちらかと言えば「かいてしまった汗やベタつき」に対応できるアイテムとしての要素が高いので、汗のべたつきをオフするシートにプラスして他の制汗剤を使用することがオススメです。

〇スティックタイプ
スプレーに次いで人気があるのがスティックタイプです。殺菌力・制汗効果も高いものが多く、効果が長持ちする製品が多い為、海外では一番使われています。肌にスティックを押し付けながら使用するので密着度も高く、よくお肌に浸透して制汗効果を発揮してくれます。手を汚すことなく使用でき、持ち運びもしやすいのが特長です。
デメリットとしては、スティックという形状なので手の届く範囲にしか塗れない事や、お肌に触れる面積が少ない為、塗りムラが生じやすい点です。

〇ロールオンタイプ
先端に制汗剤が付着した球体がついていて、この球体を転がして脇の下などに直接塗りこんでいくタイプです。メリットは手を汚さず清潔に使用きることです。また、ロールオンタイプはお肌の曲線的な面に対してもきれいに塗ることができ、ムラが生じにくく、制汗力も強い製品が多くとても人気です。
ロールオンタイプのデメリットとして、制汗剤を塗った後は少し乾くまで時間が必要な点と、球体部分は塗る度にお肌に付着するので衛生面の心配が生じます。

〇クリームタイプ

クリームタイプは制汗剤の中でも、特に制汗効果や持続力が高いものが多いのが魅力です。ワキガの方や多汗症の方は、クリームタイプを使用している方が多いようです。お肌にも刺激が少ない物が多く、敏感肌の方でも比較的使用しやすいです。
デメリットとしては、クリームを手に付けて塗り込んでいくので、なかなか持ち歩いて外で付け直すということがしにくい点です。手にクリームがつくので毎回、手を洗う必要があります。

■外出先でのケア方法

まずは汗の水分をしっかりとタオルで拭います。汗をかいているところに制汗剤を使用しても流れてしまい、効果が発揮されないので布でしっかりと吸水しましょう。次にシートタイプの制汗剤で首筋や脇の下、デコルテ、ウエスト、腕、足と拭いていくのがオススメです。
シートの制汗効果によってサラサラとしたお肌を作ったら、最後に仕上げとしてスプレー・ロールオン・スティック・クリームをお肌に塗布します。こちらはそれぞれお悩みや使用しやすいものをお選びいただくのがベストです。

■意識的に汗をかく
原則として「汗はかいたほうが良いものである」ということは忘れないようにしてください。汗は気温の変化の体温調整、運動後の発熱作用などで「上がりすぎた体温を下げる」ために出てくるものです。無理に抑制すれば、体温調節がうまく行かず、結果的に体調不良を招き、体臭がキツくなる原因となります。また、汗の分泌が滞ればその分菌が繁殖しやすくなり、ニオイも強くなりやすいです。適度な汗は肌表面の汚れやニオイの元になる菌を洗い流す作用もあります。1週間に1度でも良いので、意識的に運動や入浴などでしっかり汗を出し、発汗力を高めるようにしてみましょう。

 

■まとめ
いかがでしたでしょうか。
男性女性どちらも気になる汗のニオイ。制汗剤は種類や形状も沢山あるので、自分にあったものを選んでいただけるのがベストです。

 


参考文献

五味 常明(2006)「体臭恐怖-体のニオイで人を恐れるあなたに-」