©2024 AINS-LAB INC.

NEWS

新着情報

  1. ホーム
  2. 新着情報
  3. ビタミンC誘導体配合……

ビタミンC誘導体配合の化粧品の効果とは?

じわじわと人気を集め、昨今では化粧品成分としてよく見る「ビタミンC誘導体」。

基礎化粧品に多く配合されていて、お肌の透明感アップや紫外線ダメージをケアする美容成分として有名ですが、そもそも誘導体ってなに?どんな種類があるの?種類によって効果は違うの?ビタミンCは朝使うとシミの原因になるの?と…意外に知らないことも多いのではないでしょうか。ビタミンC誘導体配合化粧品は、選び方・使い方で実感が大きく異なってきます。そこで、今回はビタミンC誘導体の効果や魅力をご紹介いたします。

■ビタミンC誘導体とは?
ビタミンC(L-アスコルビン酸)がお肌にいいことはご存知かと思います。ニキビの防止や活性酵素の除去、色素沈着の防止、メラニン色素抑制など、様々な美肌効果が期待される成分ですが、これを肌から取り入れるとなると非常に不安定で酸化しやすく、お肌へ浸透しにくい為、使いにくい成分でもあります。そのまま塗っても皮膚にはほとんど浸透しません。

美肌には欠かせないビタミンCを安定させ、お肌に浸透するように改良されたのが、ビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体は肌に浸透すると、肌内部にある酵素(細胞に存在するタンパク質)に反応してビタミンCに変化します。変化後の成分は通常のビタミンCに比べて変質しにくく、効率よく美肌成分を届けることが出来ます。

■ビタミンC誘導体の効果

・ニキビの予防と改善
ニキビはアクネスという肌の常在菌によって引き起こされる炎症です。ホルモンバランスの乱れや食べ物などの生活習慣の影響から表皮が厚くなることで、本来排出されるべき皮脂がうまく排出されないことが原因です。ビタミンC誘導体には若干ではありますが、皮脂を抑える効果があり、アクネスによって生み出された活性酵素も除去してくれるので、ニキビ予防に効果があると言われています。また、ニキビ跡の赤みを薄くする作用も期待できます。

・美白効果・メラニン色素生成抑制
チロシナーゼという酵素の働きを阻害することで、メラニン色素の生成を抑制します。また、すでにできてしまったメラニン色素を還元する作用もあり、これによりシミやそばかす、くすみを予防したり、色素沈着を改善します。厚生労働省に認可されている美白成分のなかでも、メラニン還元作用を持っているのはビタミンC誘導体だけです。

・抗酸化作用
肌の老化は、紫外線を浴びた際などに発生する活性酵素によるものだと言われています。ビタミンC誘導体には高い抗酸化作用があり、紫外線や睡眠不足、喫煙で生じる活性酵素の働きを抑え、コラーゲンやエラスチンを保護することで、シワやたるみを防ぎ、若々しい肌を保ってくれる効果が期待できます。

・コラーゲン生成助長
肌に吸収されるとコラーゲンの生成を促してお肌にハリを与えてくれます。また肌の細胞と細胞を繋ぐセラミドの合成を促進してみずみずしいお肌へと導きます。

・毛穴改善
レチノールよりも刺激の少ないビタミンCは、たるみ毛穴はもちろんですが、肌が敏感になりがちな開き毛穴タイプでも比較的使いやすい成分です。

・皮脂抑制作用
若干ですが、ビタミンC誘導体には皮脂の抑制効果があります。皮脂が過剰に分泌されるとニキビの原因となります。少なすぎると乾燥や肌の保護機能が衰えてしまう原因となります。ビタミンC誘導体は皮脂の分泌を調整して肌のトラブルを防止する作用があります。

・新陳代謝促進
お肌のターンオーバーを促して角質と共にメラニンの排出を行います。また血行をよくして血色のよい健康的なお肌へ導く為、くまへの効果も期待できます。

・くすみ予防
還元作用により黒色化したメラニンの色を薄くして、お肌に透明感を持たせます。

■ビタミンC誘導体の種類
ビタミンC誘導体と言ってもさまざまな種類があり、その特徴も違ってきます。大きくは水溶性と油溶性の2つの成分に分類されます。水溶性と油溶性とは、名称の通り水に溶ける物質、油に溶ける物質のことを指します。水溶性のものは主に化粧水や美容液など水ベースの化粧品に配合され、油溶性は主に乳液かクリームなど油ベースの化粧品に配合されています。それぞれの特徴と一部の種類をご紹介いたします。

【水溶性ビタミンC誘導体】
化粧水や美容液に含まれることが多く、吸収が早いのが特徴です。使い心地が軽くべたつきにくいことや、お肌のトーンアップを実感しやすい傾向にあります。

〇L-アスコルビン酸2-グルコシド
酸化に強く持続性の高い水溶性ビタミンC誘導体。化粧品だけでなくサプリメントにも多く含まれています。
〇リン酸アスコルビルMg
アスコルビン酸(ビタミンC)にリン酸とマグネシウムを組み合わせた誘導体です。肌に浸透しやすいMg(マグネシウム)というミネラル部分を結合することで、角質層の基底層近くまで浸透しやすく、ビタミンCと比べて約8倍の量が皮膚に取り込まれると言われています。安定性が高く長時間じわじわと効果を発揮します。

【油溶性ビタミンC誘導体】
水溶性に比べると、長くじっくり作用していく成分です。高濃度配合でも刺激を感じにくいことや持続力があるのが特徴です。

〇テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
皮脂脂肪酸の一つであるイソパルミチン酸とビタミンCを結合させたもので、皮膚内のエステラーゼという酵素によって、ビタミンCと脂肪酸に分解されます。

〇パルミチン酸アスコルビル
脂肪酸の一つであるパルミチン酸とビタミンCを結合させたもので、皮膚内の酵素によって、ビタミンCとパルミチン酸に分解されます。 古くから使われているビタミンC誘導体で、アメリカではエステルCの名前で有名です。

■濃度が高い程効果的?
ビタミンC誘導体は、濃度によって使用感が異なってきます。例えば3%を超える濃度で刺激を感じる方もいらっしゃいます。ビタミンC誘導体に皮脂を抑える効果がある為、乾燥を招きやすいことや、バリア機能が低下して敏感肌になっていると考えられます。必ずしも濃度が高いほど効果的ということではないので、肌状態にあった濃度のものを選ぶことが大切です。

■ビタミンC誘導体の効果的な使い方
紫外線が気になる夏や秋口しか使わないといった方も多くいらっしゃいますが、効果を生かすには、1年を通して朝晩お顔に使うことが大切です。

・適量を使う事
適量を使ってこそ、有効成分をしっかりと取り入れる事が出来るので、使い方の表示をしっかり読んで適量を使ってください。
・ハンドプレス
お肌への浸透を高める為に、手のひら、またはコットンで塗布した後は、手のひら全体を使って優しくハンドプレスしてあげましょう。
・コットンパック
ビタミンC誘導体の効果を高める方法の一つに、パックが挙げられます。コットンなどに含ませたビタミンC誘導体をしばらく肌にのせておくことで、お肌に浸透します。シミやシワなどの気になる部分に集中的に行うのもオススメです。コットンは時間がたつと乾燥してくるので、あまり長い時間乗せすぎないようにしましょう。美顔器などをお持ちの方はここでイオン導入を行ってみてはいかがでしょうか。

■ビタミンC誘導体は朝につかってもいいの?
誘導体処理のされていない、ビタミンC(ピュアビタミンC)を直接お肌に塗布した場合は、安定性が悪く紫外線を浴びたりするとすぐに肌表面で酸化してしまいます。自身が活性酵素に変化してしまう為、ニキビや湿疹といった肌トラブルやシミ・シワなど、肌老化を促進させる原因となります。
ビタミンC誘導体はそう言ったビタミンCを安定してお肌に届けるように改良されたものです。メーカー側で”夜のみの使用”と書かれていなければ日中使用しても問題ございません。

いかがでしたでしょうか。
ビタミンC誘導体は、お肌にとっていいこと尽くしの理想な美容成分です。ビタミンC誘導体には種類がたくさんありますので、まず配合量が少ないものから使用をはじめ、自分のお肌にあったものを選んで効果的に使ってみてください。10年後、20年後に若々しい肌を保つためにも是非一度試してみてください。

 

参考文献

吉木伸子・岡部美代治・小田真規子(2017)「正しいスキンケア事典」高橋書店