ココナッツオイルで健康美容
「アーモンドオイル」「アボカドオイル」「アルガンオイル」とご紹介してきましたが、今回は皆様もよく耳にする「ココナッツオイル」についてお話させていただきます。
ココナッツオイルは海外セレブの間でも評判が高く、数年前から長いブームとなっています。著名人のブログ等でも美容効果の高さが取り上げられ、取り扱うショップも増えてきました。便秘などの健康や、肌や髪のケアにも効能があり、女性に嬉しいココナッツオイル。その威力秘密や選び方、使い方&オススメの食べ方レシピ、気になる副作用までご紹介いたします。
■ココナッツオイルとは
ココナッツオイルは、ヤシの木の成熟した種子の内側にある「胚乳」という部分から摂れるオイルのこと。生のココナッツか乾燥させたココナッツの果肉から作られたトロピカルオイルです。一般にフレッシュな胚乳から作るココナッツオイルは収穫後なるべく早いうちに圧搾し、抽出したココナッツミルクからオイルだけを取り出して作られます。この時の抽出法として、機械による遠心分離法と、昔ながらの発酵分離法の2種類があります。発酵分離法は室温に置いて、24時間かけて発酵させて自然にクリームと水分、オイルに分かれるのを待ち、オイルだけを掬い取る方法です。時間はかかりますが、加熱を一切しない最もナチュラルな製法といえます。
さらに、バージンココナッツオイルは、コールドプレスされたもので、ココナッツの風味が残っています。精製されたココナッツオイルは、特徴的なトロピカルな香りや味が失われています。
■ココナッツオイルの効果
ココナッツオイルの飽和脂肪酸の多くが天然の中鎖脂肪酸で構成されていて、他のオイルに比べカロリーが低いのが特徴です。通常のオイルに含まれる長鎖脂肪酸は、体内に取り込まれた後、脂肪として貯蔵され、必要に応じてエネルギーとなりますが、使われなかった分は、脂肪として蓄積されてしまいます。一方、ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は直接肝臓に運ばれます。その為、長鎖脂肪酸の約10倍の速さで分解・燃焼され、体内に脂肪として蓄積されにくいのです。さらに、ココナッツオイルの大きな特徴は抗酸化作用に優れているという点です!お肌のくすみやシミが発生する主な原因は、体内の活性酵素がお肌を酸化させる為と言われているのは皆様ご存知かと思いますが、ココナッツオイルにはこの酸化を防ぐ効果があります。それがココナッツオイルの抗酸化作用と言われるものです。この抗酸化作用があるため、ココナッツオイルをスキンケアに使うと、アンチエイジング効果があり、肌の老化を防ぐのに役立ちます。この飽和脂肪酸は人の肌の皮脂とよく似ている為、直接肌に塗ると馴染みがよく、とても吸収率が良いのでお肌に塗布することにより保護膜としての効果があり保湿効果にも優れています。
他にもラウリン酸が含まれているので、高い抗菌作用があります。このラウリン酸の働きが免疫力を強化してくれるため、ニキビや吹き出物といった肌トラブルやアクネ菌からお肌を守ってくれる役割があります。
■ココナッツオイルの効能
- 代謝促進効果があるのでダイエットをサポート
- 善玉コレステロールを増やし健康的に
- アンチエイジングに欠かせない抗酸化作用
- 肌荒れ防止
- ニキビ改善
- ニキビ跡・ターンオーバーの促進
- 乾燥対策
- 日焼け止め
- アトピーの改善
■ココナッツオイルの活用方法(美容)
クレンジングオイルとして
クレンジングをした際の乾燥が気になるという人は、ココナッツオイルをメイク落としとして使う方法があります。
1. 大さじ一杯程度のココナッツオイルを手に取り、手のひらでオイルを温め、液体状にしてから顔に塗布します。
2. 軽くマッサージしながらやさしくメイクとなじませます。
3. アイラインやウォータープルーフのメイクを落とすのは時間がかかるので、焦らず丁寧に落とすようにしましょう。アイメイクなどは、専用のポイントリムーバーで落とす方が目元の皮膚に負担をかけないため良いでしょう。
4. メイクが浮き上がってきたら、ぬるま湯でやさしくすすぎます。ポンイントとして時間のある時は、流す前に蒸しタオルで毛穴を開いてから拭き取るのがオススメです。
5. クレンジングが終わったら、いつも通りに洗顔しましょう。
スキンケアやマッサージに
ココナッツオイルは25度以上で液体になり、それ以下だと固まってしまう性質の為、スキンケアとして使用する場合にはあらかじめ温めて液体状にしておいてください。
1. 伸びが良いので、1,2滴手に取りましょう。
2. 手のひらに取ったオイルを、指の腹を使って少しずつ顔に塗布していきます。
3. お顔をこすりすぎない程度の強さでなじませながら顔全体をマッサージします。
4. オイルが浸透したら、普段通りのスキンケアを行ってください。
日焼け止めとして
ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は紫外線を防ぐ効果があるので日焼け止めにもなります。ですが、市販の日焼け止めの代わりに使えるわけではなく、オイルなので時間が経つと肌にしみこむ為、効果は短時間です。室内で窓から差し込む日差しが気になる時などは、ココナッツオイルを塗っておくのがオススメですよ。
ヘッドスパに
ココナッツオイルに含まれる、ビタミンEとラウリン酸の殺菌効果で傷んだ髪や切れ毛、頭皮の乾燥などに効果があります。
1. 常温または冷たい炭酸水で髪を濡らし、頭皮をマッサージします。
2. ピンポン玉程度のココナッツオイルを手に取り、頭皮を揉みこむようにマッサージします。
3. そのままタオルを巻いて2時間放置します。時間がない場合は蒸しタオルで巻いて20分ほど放置します。
4. 頭皮をマッサージしながらシャンプーをします。
5. 通常通りコンディショナーをします。
ボディオイルに
スプーン一杯程度のオイルをバスタブに入れてよく混ぜて入浴します。ココナッツの甘い香りがアロマ代わりになり、心地のよいバスタイムが過ごせ、お肌もしっとりすべすべに。
オーラルケアに
食用油を使ったうがいは「オイルプリング(オイルうがい)」と言われ、ココナッツオイルがよく使用されています。近年その効果について研究が進んでいます。歯磨き粉の研磨剤を使った汚れ落としではなく、オイルの中に汚れを溶かしていくことで汚れを洗い流し、ココナッツオイルの殺菌作用により、口内の悪玉菌を減らし、歯の状態改善、口臭を減らす、歯のホワイトニングの効果が期待できるといった研究結果がでています。
ココナッツオイルは冷えると固まってしまう性質がある為、吐き出す際は排水溝が詰まらないようにビニール袋などに入れ捨てましょう。
■ココナッツオイルの活用方法(食事)
コーヒーに
いつも飲んでいるコーヒーに、ココナッツオイルを加えて飲んでみるのはいかがでしょうか。ほのかなココナッツの香りが、丁度良いアクセントとなり美味しく召し上がることができます。ココナッツオイルとコーヒーには、脂肪燃焼&デトックスというダイエット効果があるので、味もマッチしてオススメです。
パンケーキに
20℃以下で固形化したココナッツオイルはまるでバターのよう。パンケーキやホットケーキにのせてはちみつをプラスして食べてみてはいかがでしょうか。じわっとしみたオイルがおいしいですよ。
蒸し野菜に
液状のココナッツオイルに塩を少々。
蒸した野菜につければ温サラダになってダイエットにも最適です。
味噌汁に
味噌汁とココナッツオイルは意外と相性抜群なんです!かぼちゃやきのこがよく合います。食べる直前にひとさじ垂らしたり、または具材をココナッツオイルで炒めて味噌汁を作るとおいしいです。他にも、炒め物、揚げ物をする際の油をココナッツオイルに変えたり、お菓子作りのバター代わりにココナッツオイルを使用してもおいしくヘルシーなお料理ができます。
■ココナッツオイルの注意点
いいことだらけのココナッツオイルですが、気を付けなければいけない点もあります。オイルを摂り過ぎるとホルモンに影響を与えることがあります。副作用の症状はごく一部ですが、使用量は注意しましょう。また、ココナッツアレルギーによって、下痢や湿疹が現れることもあります。お肌に塗る際は必ずパッチテストをしてから使うようにしましょう。市販されているココナッツオイルの中には、残念ですが偽物も混ざっているのが実情です。精製されたココナッツオイルも偽物に分類されます。(精製されたココナッツオイルは、高温で搾る、漂白や脱臭に食品添加物や化学薬品を使用するなどして、ココナッツが本来持つ成分の多くを取り除いてしまったものです。)偽物のココナッツオイルは健康や美容効果につながらないだけでなく、副作用やアレルギーのリスクを高める事にもなります。購入する際は信頼できるお店で購入しましょう。
以上、ココナッツオイルがもたらす効果や使い方についてご紹介しました。植物油の一種でありながら、健康や美容効果が期待できる素晴らしいオイルです。皆様も日々の生活のココナッツオイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
荻野みどり(2014)「今すぐ使いたい!ココナッツオイル」(小学館)