矢吹育子さん ~インタビュー~
エステティックサロン「クリスタル」http://www.crystal.vc オーナー
若い頃から女優やモデルとして活躍された経験をお持ちの矢吹育子さん。現在はエステティックサロン「クリスタル」のオーナーとして日々忙しく過ごされています。
高校時代に、コスメブランド・シュウウエムラのメイクアップモデルを務めていた経験から、美容関係はじめ様々なジャンルの方と出会い、映画、舞台、テレビ番組、そしてモデル等、常に人に見られる立場でお仕事をされてきました。その頃から矢吹さんは「女性にとって本当の美しさは何なのだろう?」と常に問いかけ「美の本質について」を考えていたそうです。自ずと美に携わる仕事に向かってこられた中で「美しさ」の持つ意味にどのような答えを見つけられたのでしょうか?
すでに50歳を越えられたご自身は「美しく年を重ねる」ことを楽しんでおられるように見えました。ある意味、年齢を超越した若々しいお姿からも、独自の美への意識はずっと持ち続けられていたはずです。今回はその辺りのことも含めて、美と健康の秘訣を探りたいと思います。
女優やモデルのお仕事から、エステティクサロンのオーナーに
美に係わる仕事を始められたのは幸運でした!
メイクアップモデルや女優という仕事の共通点は「演じること」だったと思います。自分ではない役になりきることは私にとって楽しい時間でした。仕事にはとても魅力を感じていましたが、結婚を機に今までの全ての仕事から退き、出産、子育てに専念しました。主婦となり母となり、時には仕事をしていた時間を懐かしく思い出すこともありましたが、その頃は「子育てママも綺麗でいられるように!」と思いながら、なるべくストレスを感じないように、好きな音楽を聴くこと、DVD鑑賞、絵本の読み聞かせ、公園での散歩等、子供との時間を一緒に楽しんでいました。一方で「色」について勉強をし、色を使うことにより癒されることを学んだり、「香り」が心のケアにもなることを知り、アロマテラピーについても学びはじめました。
そうするうちに少し子育ても一段落しまして、気分的にも自分の時間を持つ余裕が出て来た頃に、友人の紹介で美容家の佐伯チズ先生との出会いがありました。丁度、佐伯先生がエステティシャンを育てる学校を開かれた頃で、卒業生たちが活躍できる場所が出来ることを望まれていました。そのご縁もあり、主人の経営する産婦人科の医院内で、出産されたお母様方にエステを受けていただくのも良いのでは…と考え、現在のサロンを設立することになりました。
元々、私自身、美と健康に関することには非常に興味がありましたので、アロマテラピーやボディートリートメント等は進んで勉強していました。ですから女性の永遠の課題「美」に係わる仕事を始められたことは大変、幸運だったと思います。
美しさの秘訣は?
心から楽しめることを見つけること!
美しさの源は、まず心から楽しめることを見つけることだと思います。私はサロンを始める前にヨガと出会い、今でも毎週楽しみながら通っています。ヨガを始めて呼吸がどれだけ大切かを教えられました。深い呼吸により、体内にしっかり酸素を取り入れることで代謝がスムーズになります。それぞれのポーズに秘められた意味や効果を知ることで体のしくみについても学びました。「精神」と「肉体」の密接な関係も知ることができました。つまり心が疲れている時は健康にも影響が及んでしまうということです。ストレスの多い現代社会でこそ、精神を安らかに保つことが健康のためにどれだけ大切かを痛感しました。美と健康の関係の深さは、年を重ね多くのことを知るにつれて、ますまず確信に至った気がします。
加えてもう一つ、美しさの源に大切なこととして食生活を挙げたいです。若い頃は深く考えなかったのですが、今では人の体は食べた物で作られているということを強く実感しています。日本はあまりにも恵まれているため、却ってこの大切さを感じる機会が少ないような気がします。最近は若い女性だけにあらず男性までもが、不必要なダイエットをされる傾向にあります。細くなり、見た目が格好良くなったとしても、髪や肌にダイエットの弊害が現れ、健康を害することになれば元も子もありません。女性の職場進出により母親が働く機会が増えた結果、食事の時間や内容を簡単にしてしまうことを「仕方ない」と諦めていいのでしょうか…?アトピー性皮膚炎の子供達が増えてきたことも食生活と大きな関わりがあることは確かです。飽食の時代で、当たり前のように食べ物が氾濫しているため、親は子供達についついファーストフードやスナックを食べさせてしまいがちですが、こちらも常時になると問題です。ちゃんとした原材料、調味料で作られた食事の大切さを次世代に伝えることは、私たちの義務でもあると思います。ただ…あまり堅苦しく考えるのもよくありませんね。美味しく楽しく食べることが一番です!
まずは基本に心身の健康があり、あくまでもエステは健康で美しくなることをお手伝いするプラスα(アルファー)のものと考えています。ですからお客様とは単なるお顔や体の施術以外に、健康法や美容法についてよく意見交換をさせていただきます。時にはお客様から教えていただくこともあり、そちらを自分の健康法に取りいれたりしています。
二人の美の巨匠から教わったことは大きな財産
恵まれた機会に感謝しています
美容のお仕事をさせていただく上でシュウウエムラ先生からは、沢山のことを学ばせていただきました。先生は「肌を作るためには、心を作っていく」必要性を説かれていました。肌にとって本当に良いことは、心が美しく豊かで満ち足りていること…そのように思うと、日々の生活を見直し考えるきっかけにもなります。シュウウエムラのモデルの時からすでに何十年も過ぎました。あの言葉を実現できるにはまだ道半ばですが、今の50代の私らしく人としての美しさを備えていきたいものです。肌を作るためには、どのように心を作ればいいのか?今後もこの答えを追求して人生の課題として取り組み続けたいです。
佐伯チズ先生にも、エステティックサロンを始めるに当たり色々とご指導を受けましたので、シュウウエムラ先生とはまた違った観点で、美に対するお勉強をさせていただきました。佐伯先生は皆様もご存知のように、すでに70歳を越えられましたが、年齢を感じさせない綺麗なお肌でお元気に活躍されています。その根底には私が感じていました、健康と美は一対の精神があると思っています。もちろん日々の健康管理、食事等には強い意識を持たれています。肌に良い食品についても色々と教えていただきました。女性に多い冷えは血の巡りを悪くする結果、肌もくすみ全身のトラブルの原因にもなりますので、先生は体を温める生姜を勧められています。私のサロンでも施術を受けていただいたお客様に、お茶と一緒にヨーグルトに生姜チップスをかけてお出しするようにしています。
美の巨匠とも言えるシュウウエムラ、佐伯チズの両先生と出会いお仕事をする機会に恵まれたことは大きな財産です。私なりにそれぞれの先生から教わったことを消化して、サロンの運営や人生に活かしていければと望んでいます。
心身共に健やかであること
この理想に向けて、自身に出来ることを追求したい!
佐伯チズ式フェイシャルデコルテトリートメントは、化粧品や機器にたよらずお肌の奥深くの細胞に働きかける手技のマッサージが基本です。フェイシャルデコルテトリートメントにはオリジナルのチズ化粧品を用いますが、ボディートリートメントにはキャリアオイルとアロマエッセンスを用います。そのためサロンではお客さまのお好きな香りを選んでいただきトリートメントに使用しています。
元々、植物や果実等の自然の匂い、ブレンドされた香水を問わず、香りは大好きなのですが、サロンでアロマエッセンスを用いるようになり、ますます香りの効用について興味が湧きました。個人的にはフランキンセンスの香りが大好きです。古代エジプトでは女性の若返りパックに用いられていたとの説もあり、アンチエイジング効果が抜群のアロマエッセンスです。それ以外にも心に静けさをもたらす沈静作用と、一方では気持ちを高揚させる作用もあり、心を元気に整えます。更年期の女性にも女性ホルモンの分泌を活性して促すために、是非、お勧めしたい素晴らしい香りです。ヨガを続けていることは先に述べましたが、フランキンセンスの香りは精神を集中させる効果もあるため、ヨガや瞑想にも向いています。ウッディでスパイシーでもあり少し特有の香りですが、私はすっかりフランキンセンスの虜になっています。
そして最近、最も興味があるのはキャンドルオイルです。聞き慣れない方も多いかもしれませんが、アロマキャンドルで空間に癒しの香りを満たし、キャンドルの溶けた温かいアロマオイルを肌につけてトリートメントするものです。揺れる炎と香りの癒し効果は抜群なので、近い将来、キャンドルオイルを使用したトリートメントメニューにもトライしたいと思っています。
近年、一つ取り組んでいることがあります。それはピンクリボンの支援です。ピンクリボンの運動は、アメリカの乳がんで亡くなられた患者さんの家族が「このような悲劇が繰り返されないように」との願いを込めて作ったピンクのリボンからスタートした乳がんの啓発運動です。お知り合いの女性が年に一度、「がんの早期発見」をテーマにイベントを開催されていましたので、当サロンも協賛してきました。女性特有の乳がん、子宮がんは早期に発見することで助かる確率が非常に高いので、サロンのホームページでも検診を受けていただくことを推奨しています。
がんにかからないための健康管理の必要性を説くと同時に、療養中の患者さんの心のケアにも取り組みたいと思っています。この部分でもマッサージやアロマテラピーは大きな要素になると考えています。
エステティクサロン「クリスタル」は今まで支えてくださった皆様のおかげで今年、11年目を迎えました。幸いにも仕事を通じまして、私と同じようなお考えをお持ちの知人、友人の輪が広まってまいりました。今までのように他の方のイベントに協賛や寄付をするだけでなく、近い将来、自分たちでがん患者さんのお役にたてるイベントを企画できないものか?と考えています。
もしも実現の運びになりましたら、こちらのサイトの読者様にもお知らせしたいと思います。是非、ご賛同いただきご参加くださいましたら幸いです。
人生の折り返し点を過ぎた私にとっては、少しばかりですがこれまでの経験を生かしながら、今も支えてくださっている皆様やこれから出会う皆様へ、美と健康のお手伝いをさせていただきたいと思っています!多くの方々との素敵な出会いを楽しみにしています。