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日本四季大学主宰 原田栄利子先生インタビュー

皆さまは「日本四季大学」(通称:正式には一般社団法人日本四季大学校)という学校をご存じでしょうか?まだご存じでない方が多いかもしれませんね。でも講座の内容を知れば是非、授業を受けてみたくなる…日本に唯一の魅力的なカリキュラムの学校です。特に健康と美容に興味のある日本にお住まいの女性にはお勧めです。
今回は日本四季大学の創立者で主宰でもある原田栄利子先生にお話をお伺いしました。
お元気ハツラツのご様子からは信じられないことですが、子供の頃は小児喘息で学校も休みがちだったそうです。同大学の開校までには医療関係の様々なお仕事をされてきました。西洋と東洋の双方の医学を学び、現場で得た経験を糧に、先生の想いを反映して創られたのが「日本四季大学」です。日本の今を生きる私たちが忘れていたこと、見過ごしていたことを学ぶことができる素晴らしい学校です。皆さんも先生とご一緒に日本の日本による日本のための健康の意味を今一度、考えてみませんか。

 


不定愁訴の解決のために薬膳を学ぶ

私の医療の仕事のスタートは看護師でした。西洋医学の病院で多くの先生、患者さんと接してきました。現場では学ぶこともたくさんありましたが、仕事を続けるにつれてある考えが沸き上がってきました。検査で異常がないのに不調があり、「不定愁訴」と呼ばれる状態の方が多いこと、また、その対応が一般の病院ではあまりされてないことです。皆様も「なんとなく体調が悪い」と思われたことはあるでしょう。体調不良をかかえていると「本当にしんどいのに分かってもらえない」ことが心の不調につながり、ますます負のスパイラルに落ち込むこともあります。私は病院でそのような患者さんの苦しい訴えをお聞きして、医療では対応できないこともあるんだと漠然と思っていました。
そんな時、興味をもったのが古くから中国に伝わる伝統医学、中医学です。中医学では、上記のような検査では異常が出ない体調の悪い状態を未病と言います。未病が本当の病(既病)にならないために、生薬や薬膳を活用して体調を回復させます。これを学べば不定愁訴の解決の糸口がみつかるかもしれないと思い勉強を始めることにしました。当時は関西には学ぶ所がなく、東京に通い、中国人の先生に教えを受けました。
皆様も医食同源という言葉はご存知と思いますが、日々の食事に用いる食材には、それぞれに体への効用があり、それを季節と体質に合わせて摂ることで体質の改善を促すことが中医学の基本です。

日本に住む私たちには日本でできた食材が合う!

西洋医学の治療とは違い、生薬を活かして作る薬膳は、私には新鮮で興味深く、併せて中医学も学び、気が付けば10年以上が過ぎていました。NHKカルチャースクールの講師や、薬膳講座のお仕事をいただき、充実した日々を送っていた最中に、とてもショックな出来事が起こりました。生徒さんの一人がガンになったのです。ご存知のように抗がん剤の投与は体力を奪い、吐き気を伴うことも多いです。治療が始まり、食欲不振の彼女から、体力の回復に何を食べれば良いかと相談を受けました。このことは、私が「日本」を意識する大きなきっかけになりました。
基本的な中国の薬膳では、そんな状態の時に効果があるとされているのは生薬の名前ばかりでした。辛い抗がん剤治療の最中、食べたこともない生薬を食べられるわけがない!その時、私は自分の無力さを思い知らされたのです。結局、彼女が口にできたのは、私達が昔から脈々と食べていたお粥と梅干しでした。長年日本人が食べてきたソウルフードだったのです。
大切な人が必要としている時に役に立たないことなんて、私は何を学んでいたのだろうと愕然としました。そして日本に暮らす私達には、日本の身近な食材で昔から伝わってきたものがカラダに合っている!と気づいたのです。このことが日本四季大学の設立につながりました。

豊かな四季に生きる日本人の食を見直そう!

ホームページにも記していますが、「天人合一」という言葉があります。人間は自然の一部なので、自然に添った生活が大切であるという中医学の根本にある教えです。
日本人は四季の影響を受けて生きてきました。それは食生活にも顕著に表れています。私たちの祖先は旬のものを食べることで健康を維持してきたのです。現代生活は便利にはなりましたが、永年に渡り大切に培われた素晴らしい習慣がいつのまにか薄れてしまっているように思います。日本に居ながらにして、世界中の美味しいお料理が食べられる今、食生活は豊かになりました。また技術の進歩で、暑い夏も汗をかくことなく、寒い冬も凍えることなく、一年中、快適に過ごす環境を作れるようになっています。
しかし、いつのまにか自然に寄り添って四季とともに生きる習慣が失われているように思うのです。季節を無視した生活で体調不良になっている方が多いように私は感じています。そこで日本の先人達の素晴らしい生活を、今一度見直して、現代に合った形にして次世代に伝えるために創ったのが「日本四季大学」です。
『健康で美しい人は四季の暮らしを知っている』これが学校のコンセプトです。
設立当初は不安もありましたが、私の想いに共感してくださる方が徐々に現れ、日本の薬膳(四季薬膳®)講座を始めることが出来ました。早いもので今年の9月で5年目を迎えます。

日本の四季に根付いた薬膳

地産地消という言葉がありますが、日本に暮らす私達に一番適した食材は、住んでいる土地で作られたものです。日本産のもの、強いて言えば地域によって気候も変わりますので、出来るだけお住まいの近隣の土地で育ったものを食べるのが望ましいです。
薬膳とは季節と体質に合ったものを食べることです。中医学では、季節毎に体に影響を与える臓腑にもスポットをあてます。季節ごとに、その臓腑に働きかけるものを食すようにする、それは旬の食材であることが多いのです。

今は年中食べられる野菜が多くありますが、旬の路地栽培のものと、季節外れのハウス栽培では食材のもつパワーが違います。ですから旬の食材を食べるに越したことはありません。
さらに大切なことは、体質にあった食生活をすることです。人それぞれ体質には違いがあるので、誰もが同じものを同じように食べて健やかになれるわけではありません。
色々な体質の方や、季節の違いの調整に活躍するのが「薬味」です。ネギや生姜、大葉等、薬味を加えることは、美味しさが増すだけでなく、体質に合うように調整することができます。例えば夏に美味しい冷やっこですが、体が冷えるので体を温めるネギや生姜の薬味が有効です。この場合も強い冷え症の方は多めに用い、冷え症でない方は少なめでよいというように、各自で調整しバランスをとることが、とても大切です。

日本の食は日本の行事や節句と強い結びつきがある

日本の薬膳を学ぶ上で、新しく気づいたことがあります。それは昔から伝わる五節句等の季節の行事も食と大きな関係があることです。お正月のおせち料理、人日の節句の七草粥、桃の節句のちらし寿司や菱餅、端午の節句の粽や柏餅等、今まで何気なく食べていたものの一つ一つに謂れと意味があります。おせち料理の黒豆には黒の邪気払いやマメに働く意味、数の子には子孫繁栄、そして人日の節句の1月7日にいただく七草粥には、お正月でご馳走を食べ過ぎた胃をいたわり、体調を整える意味を持っています。
睦月、如月、弥生等の月の異名にも意味があり、季節と深い関りがあります。日本人は古くから季節を愛し、それぞれの時期に会った食生活をしてきたことに改めて感動しています。
このようなことを知るとますます日本に伝わる食や習慣の意味を学びたくなり、近年は神道の勉強会にも通っています。普段、何気なく口にしている食物もその意味を知ると有難さが分かり、より味わい深いものになります。神道は海外では宗教ではなく日本特有の文化とみられているようですが、日本人であれば知っておきたい教えがたくさんあります。

四季の体調の変化は美容にも大きく係わっている

中医学では肌の状態を整える大切な要素は「血」です。血の量と巡りは肌に大きく関係していますが、昨今は血が足りず、巡りも悪い女性が多いようです。女性特有の体調の不良は生まれつきの体質もありますが、食生活もかなり関係しているように思います。
女性の薄毛も増えていますが、これも血が係わっています。中国では髪のことを「血餘」(けつよ)と言い、血の余った分が髪になるとされています。血が足りていない人は髪も薄くなる可能性があると言うことです。血を作るのに良い食材には赤いもの(赤身の肉、ブルベリーなどのベリー類)、緑黄色野菜、黒豆、黒ゴマなどがあります。これらの食材を日々の食卓に意識して取り入れるだけでも少しずつ体質は変化すると思います。
次に血の巡りを良くすることですが、まずは体を冷やさないことが大切です。私は40歳を過ぎた頃から冷たいものを飲むことをやめました。夏の暑い時でもなるべく温かいものを飲むように努めています。また前述しましたが、日々の食事には薬味を上手く活用するようにしています。ほとんどの薬味には体を温める役割があるので、冷たいものを摂る時は薬味を添えて、陰陽バランスを取るように調整しています。
ストレスを溜めないことも血を巡らせるためにとても大切です。ストレスは「気」の流れを阻害させます。気が血を循環させるので、ストレスが多いと、気が滞り血の巡りも悪くなるわけです。現在の社会でストレスフリーはとても難しいですが、森林浴のように自然の中で四季の移ろいを感じて、自然に癒され解消していただきたいです。

日本の四季に合わせたアロマにも挑戦!

食と同様に日々の健康に活かせるものに「香り」があります。皆様もご存じのアロマテラピーは、西洋では体調を整える施術として古い歴史を持ちます。私はこのアロマテラピーも日本の四季に合わせて使えないかと考えました。その時季に影響を受ける臓腑に働きかける精油を選択し、経穴(ツボ)に働きかけることで不調の解消に役立てたいと思っています。アロマテラピーは学んだことのある方も多いと思いますので、お持ちの知識を生かして、さらに四季に合わせて使うことができる人を増やしていきたいです。これを『四季アロマ』と名付け、認定講師養成講座を、今年の9月から始動できるように準備中です。新型コロナウィルス感染に伴う自粛生活での経験をもとに、アロマ講座はオンラインでの予定です。また、なるべく日本に自生する植物を使って出来たらと思っています。

「四季薬膳®」の食事で血を補い、「四季アロマ」の香りで血を巡らせて、健やかな素肌美を目指していただければと思います。

 

以上、私が目指す日本の四季とともに生きる心豊かな生活についてお話をしてきました。
新型コロナによる自粛生活は約2か月に渡りましたが、折しも季節は春から初夏へ…。一
年で生物の息吹を一番感じられる時期です。今までは忙しさにかまけて見過ごしていた季節の移ろいを、鳥の声や樹木の葉の色づきで感じることができました。改めて日本の四季の素晴らしさを実感しています。
この時期、家での食事が増えましたので、なるべく旬食材を使った料理を心がけました。
おかげでとても調子がよく、外出が減ったこともあり少し太ってしまいました(笑)。
女性なら、誰しも若く美しくありたいと望むものですが、その根本は健康だと思います。
それこそが学校のテーマにかかげている『健康で美しい人は四季の暮らしを知っている。』です。これからも皆様の健康に少しでもお役立てるように、日本についてもっと学び、女性の美しさに貢献できるようにと思っています。

 


一般社団法人日本四季大学校(通称:日本四季大学)
主宰|原田 栄利子 https://www.nihon-shiki.com/

看護師として医療現場での経験により、病気になる前(未病)の養生の大切さに気づき、西洋医学だけではなく中医学を学ぶ。
国際中医薬膳管理師,国際中医師の資格を取得後、講師として薬膳や経絡美容を教える中で、季節感のある、自然に沿った生活こそが健康のために大切であることを痛感し、現在は、日本の四季を理解し季節ごとの食事(四季薬膳®)や香り(四季アロマ)、養生を指導できる人材の育成に向け活動している。

【所有資格】
正看護師 国際中医師 国際中医薬膳管理師 中医美容整体師 中医美容セラピスト
ハーバルセラピスト 野菜ソムリエ