災害への備え
まもなく東日本大震災から10年が経ちます。
近年では震災だけでなく、大雨や台風、大雪などの自然災害で、水道、ガス、電気が止まり困った経験も少なくないのではないでしょうか。
普段から備えておくことは大切なことですよね。
しかし何を、どれくらい備蓄すればいいかわからない人も多いと思います。
そんな人のために、これだけは備えてほしいもの、そして、無理なく備蓄するためのコツをご紹介致します。
備蓄のコツ「ローリングストック」
無理のない備蓄のコツ。それは「ローリングストック」です。ふだんから日持ちのする飲み物や食糧、それに日用品を多めに買い置きしておき、賞味期限が近づいたものから使って、その分を買い足していく方法です。必要な量を無理なく備蓄することができます。
備蓄の基本は「水」と「食糧」
まず、大切なのは「水」と「食糧」。備蓄しておく量は最低3日分ですが、望ましいのは1週間分程度とされています。
1週間分の水や食べ物、日用品を備蓄しておくことは大変ですが、「ローリングストック」で、必要な量を備えましょう。
■水:1日3リットル(飲料水+調理用水)
食糧
ふだん使う日常の食品をうまく組み合わせて必要な量を確保しましょう。ただ、災害直後は調理ができないこともあるため、火を使わなくても調理できる非常食も準備しておくと、いざというときに便利です。
■備えておくと便利な日常品
→パックごはん、即席麺(乾麺)、レトルト食品(カレー、丼もの)、
缶詰(肉、魚、豆、野菜、果物等)、野菜ジュース、日持ちする果物
■備えておきたい非常食 →アルファ米(水やお湯を注ぐだけで食べられる)、レスキューフーズボックス(火や電気を使わず温まる)、乾パン、クッキーなどの菓子
災害時の食事は炭水化物に偏りがちになります。肉や魚、野菜など、必要な栄養を取れるように缶詰や野菜ジュースを備えておくことがおすすめです。
乳幼児やお年寄り 慢性疾患 アレルギーのある人
ミルクや離乳食、アレルギー対応食などは災害時に手に入りにくくなります。
そのため、必要な量を備蓄しておくことが大切です。
こうした食品は、災害後の供給状況を考えて2週間分の備蓄が望ましいとされています。
■乳幼児
→粉ミルク、液体ミルク、哺乳瓶、レトルト食品等
■高齢者の方
→レトルトやアルファ米のおかゆ、栄養補助食品、缶詰、
インスタントの味噌汁、レトルトの介護食品
■食物アレルギーがある人
→アレルギー対応の粉ミルク、離乳食、レトルトのおかゆ、ごはん、
普段食べている食品、飲み物
ライフライン復旧までの生活
断水するとトイレの水も使えません。生活用水を備えておくことも必要です。
お風呂の水を抜かずにそのまま生活用水に使う方法もがあります。
ただ、小さいお子さんがいる家庭では転落して事故につながるおそれもあるので注意してください。
■水がなくても使えるもの
→災害用トイレやシャンプー、ウェットティッシュ、食品用ラップ、紙皿・紙コップ・割り箸
停電対策
電気が使えないと「明かり」がなくなるだけでなくテレビやスマートフォンが使えず「情報」も入手しづらくなります。
■明かりの確保
→小型の懐中電灯、ヘッドライト、大型の懐中電灯
■情報の入手
→ラジオ(乾電池で使える携帯用)、
スマートフォン用バッテリー(太陽光で充電できるもの)
大規模な災害では、ライフラインのうち復旧で最も時間がかかるのはガスだといわれています。温かい物を口にするため、調理器具を用意することも大切です。
カセットコンロで調理する場合、ボンベの使用量は1人1週間で6本。
避難所生活で必要な物
避難所の生活に備えて準備しておくと便利なものは、日常に使うものは、
いつもより多めにストックしておいて、できれば非常用持ち出し袋にまとめておくと、いざというときに役立ちます。
持ち出し袋
※重すぎると避難の妨げになるので、重さは男性で(15Kg)女性で(10Kg)が目安。
■非常持ち出し袋の主な中身
食料品(缶詰/水/チョコレート/乾パン)・救急用品・懐中電灯・ 衣類(ヘルメット/雨具/軍手/毛布)・ロープ・ラジオ・衛生用品・ 貴重品(現金/通帳/印鑑/権利証等)・マッチ/ライター・筆記用具・予備電池・笛・靴・万能ナイフ・タオル等
また、ほかの人と共有しにくいものは、優先して備えておくことがポイントです。
→歯ブラシ、マウスウォッシュ、眼鏡、コンタクトレンズ(洗浄液)、携帯トイレ、トイレットペーパー、生理用品、ストッキング、アイマスク、耳栓、ゴミ袋(雨カッパやトイレにも使用できる)、使い捨てスリッパ、うちわ、保冷タオル(夏季)、カイロ、手袋(冬季)
災害に備え準備しておくこと
・ハザードマップなどで常日頃から身の周りの危険地域を知っておくなど、防災情報の収集に努めること。
・災害に備えて家の敷地内は落下や転倒を防止する対策を施したり、窓ガラスなどに飛散防止フィルムなどを貼るなど、安全対策をしておくこと。
・家の敷地内の避難経路になる場所に落下・転倒のおそれのある物を置かないように気を付けること。
・避難場所・避難経路・避難方法などについて家族で確認しておくこと。また、職場や学校にいた時に災害にあった場合のことも決めておくこと。
・地域の自主防災組織の活動に積極的に参加し、避難訓練などを行うこと。
・高齢者の方などに日頃から声をかけ、災害時の支援などについて確認しておくこと。
・災害が起きた場合、電話・携帯電話が使えないことを想定して家族や知人と連絡を取り合う手段を事前に決めておくこと。
日頃から準備しておくこと
・普段から災害に備えてお風呂の水を貯めておくこと。
・応急処置や心臓が止まった時などの蘇生方法などを知っておくこと。
・地域の防災訓練などに参加し、日頃から防災に関しての意識を高めておくこと。
すべてを一度にそろえるのは難しいかも知れませんが、災害はあす起きるかもしれません。
被災後に困らないよう、日常から備蓄を意識した生活をすることが大切です。